2015年のF1最終戦アブダビGP(29日決勝)が開催される今週末のアブダビで、ルノーによるロータス買収が正式にアナウンスされるのではないかとのうわさもあったが、25日(水)現在、まだそうした兆候は見られていないようだ。
■今後に含みを持たせるルノー
ルノーF1プロジェクトのオペレーションズディレクターを務めるレミ・タファンは今週次のように語った。
「1勝もできずにシーズンを終えることになるのはつらいことだ。だが、多くのことを学んだし、今後に向けて自信が持てる大きな前進を果たすこともできた」
このタファンのコメントからすれば、ルノーがロータスを買収し、2016年からは再びワークスチームを擁してF1へのチャレンジを続けることが間違いないようにも思える。
■いまだアブダビに姿を見せないロータス
しかし、最終戦の開催をひかえたヤス・マリーナ・サーキットには、まだロータスの姿は見られないようだ。ロータスは25日(水)ツイッターを通じて最終戦への準備を開始しているとのメッセージを発信している。
だが、『Speedweek(スピードウィーク)』は、あるライバルチームのメカニックが「ロータスの機材はまだ到着していないよ」と語ったと報じている。
また、スペインの『Marca(マルカ)』も、ロータスのピットウォールには何の準備も施されておらず、ホスピタリティエリアにも人の姿が見えない状態だと伝えている。
さらに、イタリアの『Mediaset(メディアセット)』も「パドックにはロータスのチームメンバーの姿は見えない」と書いている。
今シーズン後半に入ってから、ロータスはサーキットの施設利用費などを支払うことができず、パドックから締め出される状況を何度か迎えていた。そして、その都度F1最高責任者であるバーニー・エクレストンがその費用を肩代わりし、その費用を来年に支払われる予定となっている賞金から控除することになっていると伝えられている。
今週末のアブダビでも、ロータスは再びそういう状況を迎えてしまうのだろうか?
■財政難に陥ったチームを批判するF1ボス
今週、エクレストンは、財政難に陥っているフォース・インディア、ザウバー、そしてマノー・マルシャの3チームが本年度の賞金の前払いを求めたことに対し、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対して次のように厳しいコメントを行っている。
「チームをうまく運営できずに、不満を口にし、もっと金をよこせと言う連中がいる」
「彼らは、まるでこれが遊びだと考えている子供のようだ。だが、F1は厳しいところなんだ」
「約束を守らない人たちがいることに失望しているよ。それに、経済的にうまくやっていけないような者たちには、これを続ける能力がないということだ」
そう語ったエクレストンは、次のように付け加えた。
「まるで、支払う金を持っていないことが分かっていながら何かを買っているようなものだ」
■レッドブルは2018年までスポンサー契約を延長
一方、今週行われたF1委員会において統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が計画している2017年からの“クライアントエンジン”導入案が否決されたことを受け、再びF1からの撤退の可能性が高まったのではないかと言われているレッドブルだが、今後もF1にとどまり続ける意向であることは間違いないようだ。
レッドブルは25日(水)に、スポンサーの1社であるシーメンスと2018年シーズンまで契約を延長したことを発表している。