今週末にスパ・フランコルシャンで行われるF1第11戦ベルギーGP(23日決勝)で、間違いなく大きな話題となると考えられているのが、統括団体FIA(国際自動車連盟)がこのレースから施行する新ルールに関することだ。
ベルギーGPから、決勝のスタート時に、チームからドライバーに対して無線を通じてシステムの設定に関する指導や助言を行うことが禁止されることになる。
ちょうどシーズン半ばにして導入されるこのルール変更に関しては、レースのスタート時に、テクノロジーを駆使するエンジニアよりも、ドライバー自身の技術や判断が物を言う形になるのを歓迎する声も少なくない。
一方で、今回のルール変更に2015年型車のシステムを合わせることに苦戦することになるだろうと懸念する声もある。
例えば、ロータスのパストール・マルドナードは、スイスの『Blick(ブリック)』に次のように主張している。
「今のF1カーはこういう突然の変更に対応できるようには設計されていないんだ。危険が伴う可能性さえあるよ」
チームメートのロマン・グロージャンも母国フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「恐らくまだどうなるか分からないところもあると思うけれど、チームは一生懸命にそれに取り組むことになるよ」
「僕は、このことで状況が劇的に変わるとは思わないよ。GP2(下位カテゴリー)ではドライバーがスタートですべてをコントロールしているけれど、それと同じようには決してならないと思う」
フェラーリのキミ・ライコネンも、今回のルール変更によってドライバーがやらなくてはならないことが増えるものの、これによって大きくレースの面白みが増すとは思えないと考えている。
「すべてをうまくやれるように覚えておかないとならなくなる」
母国フィンランドのヘルシンキで行われたカートイベントにおいて放送局『MTV3』にそう語ったライコネンは、次のように続けた。
「うまく機能するかしないかにかかわらず、小さな影響は出るだろうね。でも、いずれにしても革命的なものになるとは思えないんだ」
そう述べたライコネンは、次のように付け加えた。
「うまくやる方法を忘れない限り、あまり問題はないはずだよ」