2人のスペイン人が、母国の英雄であるフェルナンド・アロンソがそのうちマクラーレン・ホンダで成功を収めるだろうと語った。
昨シーズン限りで5年間を過ごしたフェラーリを離脱し、今年からエンジンサプライヤーとしてF1復帰を果たしたホンダと手を組んだマクラーレンに移籍したアロンソ。だが、そのマクラーレン・ホンダは、今季開幕2戦を終えた時点ではまだ戦えるところまではほど遠い状態だ。
一方で、そのアロンソと入れ替わりにフェラーリに移籍した4度のF1チャンピオンという称号を持つセバスチャン・ベッテルは、移籍2戦目のF1マレーシアGPで見事に初優勝を飾っている。
今季、フェラーリのマシンが明らかに力をつけてきているのは誰の目にも明らかであり、アロンソがフェラーリを去る決断をしたことが本当に正しかったのかという疑問を感じている者たちも少なくないようだ。
■マクラーレン・ホンダは改善してくるとロベルト・メリー
だが、アロンソと同じスペイン出身であり、経営破たんから復活したマノー・マルシャのドライバーを務めるロベルト・メリーは、フェラーリが今季大きく進歩を遂げるところだったにもかかわらず、フェラーリを離脱したのはアロンソの失敗だったと言うのは正しいことだとは言えないと『Marca(マルカ)』に次のように主張した。
「彼ら(フェラーリ)があれほどよくなるとは誰も思っていなかったよ」
「フェルナンドに対するそうした批判は正しいことではない。F1は非常に複雑なスポーツだし、チームの選択についてもめぐり合わせがいいときも悪いときもあるものなんだ」
「今シーズンの終わりまで、あるいは今後2、3年間になるかもしれないけれど、どうなるか様子を見るべきだよ。彼(アロンソ)だって、これは中期的な計画なんだって常に言っているわけだからね」
2015年を予想以上にみじめな形でスタートすることになったマクラーレン・ホンダだが、彼らが今後改善できると思うかと質問されたメリーは、「すでに改善してきているよ」と答えると、次のように付け加えた。
「オーストラリア(開幕戦)とマレーシア(第2戦)の間に、彼らは非常に大きく進歩したよ」
■スペインかモナコあたりからは表彰台も狙える?
一方、スペインのモータースポーツ協会会長であるカルロス・グラシアも、アロンソのマクラーレン・ホンダへの移籍を支持する発言を行っている。
グラシアは、『El Confidencial(エル・コンフィデンシアル)』に次のように語った。
「フェラーリの話は非常に複雑だったんだ」
「今年のフェラーリに乗ったフェルナンドを見てみたかったとは思うけれど、彼の今後の見通しも非常に明るいし、彼の決断を尊重すべきだろうね」
「ホンダはまだ見せ場を作るほどには至っていない。だが、フェラーリ同様、マクラーレンも素晴らしい伝統を持つチームだし、クルマの開発を進めるためにあらゆる手段を講じてくるだろう」
そう語ったグラシアは、次のように付け加えた。
「私は、スペイン(第5戦/5月10日決勝)かモナコ(第6戦/5月24日決勝)あたりには戦うことができ始めるだろうと思っているよ。優勝は無理でも、表彰台争いくらいには加われるんじゃないかな」