F1界でよく知られた3人の人物が、フェラーリが今後も優勝にからむようなレースが続けられるかどうかは疑問だと語った。
先週末に行われた2015年F1第2戦マレーシアGP決勝では、セバスチャン・ベッテルがフェラーリ移籍2戦目にして2013年の最終戦ブラジルGP以来の勝利を飾った。そしてフェラーリにとってもこの勝利は2013年の第5戦スペインGPでのフェルナンド・アロンソによる優勝依頼35戦ぶりのものだった。
昨年はほとんどいいところのなかったフェラーリが、今季2戦目にして、圧倒的な強さを見せつけるだろうと考えられていたメルセデスAMGと互角以上の戦いをして優勝したことは大きな驚きをもって迎えられた。
■フェラーリにベストマッチしていたマレーシアのタイヤ
だが、かつて2度マクラーレンでF1チャンピオンに輝いた元F1ドライバーのミカ・ハッキネンは、マレーシアでのフェラーリの優勝は、タイヤにかなり助けられたものだと考えている。
「ピレリがマレーシアに持ち込んだタイヤは、メルセデスAMGよりはフェラーリのほうに合っていたね」
『Hermes(エルメス)』にそう語ったハッキネンは、次のように続けた。
「今後どのレースでもフェラーリがメルセデスAMGをおびやかせるとは思えないよ。だけど、いずれにしても、メルセデスAMGも昨年やってのけたような形でシーズンを支配することにはならないだろうね」
■セパンはベッテルが特に得意なサーキット
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、フェラーリがV6パワーユニットを大きく改善してきたと考えている。
「それが最大の理由だ」
「だが、マレーシアの高い気温、タイヤの種類、そしてレース戦略のいずれもがすべて完ぺきに組み合わさったことも事実だ」
「フェラーリが、マレーシアで見せた強さをほかのサーキットでも同じように発揮できるとは言えないと思うね」
オーストリアのテレビ局『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「それに、セパンはベッテルの大好きなサーキットなんだ。昨年、彼がリカルド(レッドブル)より明らかに速かったのはセパンだけだったよ」
■極端なコンディションの中でうまくやれただけ
現在最強と言われるメルセデスエンジンを搭載するウィリアムズのバルテリ・ボッタスも、フェラーリがセパンで見せた速さに関してはそれほど深刻にとらえる必要はないと主張している。
ボッタスは、母国フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』に次のようにコメントした。
「マレーシアのコンディションがものすごく極端なものだったことを計算に入れないといけないよ」
「すごく暑かったし、フェラーリはその中で誰よりもうまくタイヤの性能低下に対応できていたようだ」
「彼らが中国GP(12日決勝)でどうなるか、様子を見てみよう」とボッタスは締めくくっている。