今年の開催が不安視されていたF1ドイツGPだが、キャンセルとなることがほぼ確実となった。
近年は、ニュルブルクリンクとホッケンハイムが隔年で交互にドイツGPを開催してきている。今年は本来であればニュルブルクリンクで開催される予定だったが、経営破たんに陥った同サーキットでの開催は当初から危ぶまれていた。
F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、今年のドイツGP開催に向けてホッケンハイムとも交渉を行っていた。だが、先週『Independent(インデペンデント)』に対して「現時点ではドイツGPの開催はない」と語っていた。
また、今週17日(火)には、ホッケンハイムの責任者であるゲオルグ・ザイラーは『Bild(ビルト)』に対し、2015年に「ここでF1が開催される望みはない」と語ったことが報じられた。
そして今回、ニュルブルクリンクの代理人であるピエトロ・ヌボリーニも、『DPA通信』に対し次のように語った。
「我々は、レース開催に向けた準備のタイミングや経済的な理由から、これ以上時間をかけても意味がないという結論に達した」
ニュルブルクリンクの取締役であるミハエル・レムラーも、『Rhein Zeitung(ライン・ツァイトゥング)』に対し、「エクレストン氏は、我々がある程度の損失は受け入れる準備があると申し出ていたことも知っていた」と語り、「我々はこれから将来のことへ目を向けることになる」と付け加えた。
ヌボリーニは、ニュルブルクリンクでは「F1開催のために押さえられていた7月19日(日)はほかの主催者に解放する」ことを決定したと認めている。
これにより、2015年のF1ドイツGP開催がキャンセルされ、今年も昨年と同じ全19戦となることがほぼ確定的となった。正式には20日(金)に開催予定のFIA(国際自動車連盟)世界モータースポーツ評議会での承認を得て確定することになると伝えられている。
2007年にもドイツGPが開催されなかったが、このときはヨーロッパGPとしてニュルブルクリンクでF1レースが開催されていた。ドイツ国内でF1レースが開催されないのは、1960年以来のこととなる。
なお、2016年についてはホッケンハイムがドイツGP開催契約を結んでおり、来年はドイツGPが復活することにはなるはずだ。