2014年11月25日、アブダビでのF1公式テストでいよいよマクラーレン・ホンダが本格デビューした。
マクラーレンはホンダの新V6ターボエンジンのために、2015年を前に様々なシステムをテストするためにMP4-29H/1X1を開発してテストに挑んでいる。
午前中は電気系トラブルによりガレージ内での作業を行ったが、昼食後には解決。
午後は開発テストドライバーのストッフェル・ファンドールネによって、インスタレーションラップを重ねた。
燃料データ交換の問題が2~3回生じ、2度目は赤旗の原因となるコース上でのストップとなった。
それにもかかわらず、初日の走行としては良い結果だったと言える。2015年に予定されている最初のテストの前にトラブルシューティング(故障修理)プログラムもこなした。
■エリック・ブーリエ - レーシングディレクター、マクラーレン
今のF1カーを走らせるには、手順が非常に複雑です。今週のテストでは、サーキットとホンダの開発拠点2ヶ所であるHRD Sakura(栃木県さくら市)とミルトンキーンズ、そしてマクラーレンの拠点ウォーキング間でどうやって仕事をすべきかを学んでいます。
今回のテストは、マクラーレンとホンダが一つ屋根の下で一緒に働くために、運用体制を強化するための機会です。
午前中は電気系トラブルを含む様々な問題に見舞われましたが、エンジンに火が入り、クルマがガレージから出て、電光掲示板で数ラップでき、ほっとしています。
今週はラップタイムは気にしません。徐々に我々の知識を広げている段階です。明日はうまくいけばロングランをして、異なるエンジンパーツについて学ぶつもりです。そして別々の独立したシステムで走行する予定です。
■新井康久 - 本田技術研究所 取締役専務執行役員、モータースポーツ総責任者
「今週のテストは、来年2月のテストをする前に、本当に基本的なエンジンのシステムチェックが目的です。
今年の初めにヘレステストに行った際、チームがターボエンジンの問題に直面しているのを見て多くの問題に気がつきました。ですから2015年オフシーズンテストが始まる前に、初期チェックをしたいと思いました。
今日使用したエンジンはまだ開発中のもので、レース用ではありません。来シーズンに向けて開発スケジュール通りです。開幕戦オーストラリアまでにいくつかのステップがあります。
私たちは1つのチームとして新しいシーズンに向けて順調に進んでいます」
■ストッフェル・ファンドールネ - 開発テストドライバー
「まずはじめに、ホンダの有名な「H」ロゴが入ったチームキットやレーシングスーツに身を包むことができ、大変誇りに思います。
今日ここに来るまで、マクラーレン・ホンダはF1の歴史の一章として存在していましたが、本当にこの日が来たことに非常に興奮しています。
今日はもっと多くの周回を重ねることを期待していましたが、燃料データロギングに問題があり、数回クルマをストップすることになりました。しかし、チームはすでに状況を分析しているし、明日はうまくいくことを願っています。
これらの問題が起こったにも関わらず、とてもポジティブな日になりました。開発途上の段階で、いくつかの周回を重ねられたことは有益です。そして来年2月のヘレステストよりも、11月に初期問題が出て解決した方が良いと言えるでしょう。私からもすでにいくつかの有用なフィードバックをチームに伝えています。
今回のテストの目的は、マクラーレン・ホンダとしてのエンジニアの知識を深めていくことです。実際に初めてサーキットで一緒に働くと、オペレーション上、多少の違いが出てくるものです。
まだ開発段階で、まだエンジン全開で走行していません。だからホンダエンジンの本来のフィーリングを得るのは難しいですね。だけどホンダサウンドは本当に素晴らしいですよ!
人はよく、パワー全開の時にエンジンサウンドはいいね!と言いますが、そう言われるように期待しています!