23日(日)の2014年F1最終戦スペインGPでフェラーリのキャリアに終止符を打ったフェルナンド・アロンソだが、次の動きに関しては相変わらず口が固かった。
大方の予想はマクラーレン・ホンダへの移籍だが、アロンソもアブダビで、それを裏付けるようなコメントを発してはいた。
「サプライズはなしだ」とアロンソ。テレビ局のレポーターに、ウォーキング(マクラーレン本拠地)に戻るつもりだろう?と話しかけられると「いい線いってるね」と応じていた。
■元国王から、まさかの情報漏れ
今年6月に退位したスペインの元国王、フアン・カルロス1世は、アロンソに招かれアブダビGPを観戦した一人。その元国王はスペインのテレビ局『Antena 3』に、もはや世界で疑う者はいない情報をもたらすのだった。
「(フェラーリでの)最後のレースを応援しに、私はやって来た」「彼はマクラーレンに加入すると話をしていた。とても嬉しそうだった」
元国王が口を滑らせたと知ったアロンソは当初、困惑気味だったが、次のように述べた。「そういう話題は、きみたち(報道陣)に任せるよ」
ドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』は、こんなアロンソのコメントを掲載している。「王には逆らえないね。彼は常に正しい」
■マクラーレン以外に選択肢は?
内部情報を知る複数の関係者によると、マクラーレン以外でF1の選択肢は、まさかのメルセデスAMG移籍だそうだ。
しかし23日(日)、同チームからはアロンソの「ア」の字も出ず、新F1王者ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグを持ち上げるのに忙しそうだった。
アロンソ本人も、ブラックリー(メルセデスAMG)行きを否定している。
「メルセデスAMGが大きなアドバンテージを持っているのは皆、知ってのとおりだ」とアロンソ。「おそらく来年もそれは変わらないだろう」
「僕が始めようとしているプロジェクトは、何も来年だけに視野を定めているわけではない」
「これは長期に渡るパートナーシップだ。このプロジェクトが、いずれメルセデスAMGに挑戦できるようになれたらいい。これは、そのための第一歩なんだ」
2007年の在籍時には、チームCEOのロン・デニスと激しく衝突したアロンソ。しかし、それもマクラーレン復帰に障害とならないのは、次の発言から明らかだ。
「僕はルノー(現ロータス)からマクラーレンへ行き、またルノーに戻った男だよ」
「いろいろな記事を読む限り、僕はいっしょに働きにくい男らしい。それが本当なら、以前いたチームに戻れるはずがない。だろう?」
「表彰台でシャンパンをぶちまけたり、レースに勝って世界タイトルを取ることがなくなってから久しい。僕の新しいプロジェクトは、まさにそれが目標だ。一年目は無理かもしれないが、いずれ将来、目標が実現すると信じて疑わない」
■チームメートは果たして
さまざまな情報から、2015年のチームメートはマクラーレンの若手ケビン・マグヌッセンになりそうだ。ただ、15年のF1キャリアを誇るジェンソン・バトンはまだ引導を渡されていない。
「ロン(デニス)とはレース後に話し合った。それが毎レースの習慣なのでね」と23日(日)、報道陣に語ったバトン。「特に新しい情報はないよ。でも、あと数日したら明らかになるだろう」
「決勝前、ガレージに足を踏み入れた時は辛かった。メカニックの皆からハグされたりしてね。あれには参った。彼らの顔に何が書いてあるか分かっちゃったよ」