シボレーは、デトロイトで開催されている第26回北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)において、新型「コルベットZ06」と同時に開発されたレースカー「コルベットC7.R」を発表した。
この「コルベットC7.R」は、1月25日(土)から26日(日)にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催される「第52回ロレックス24」でレースデビューを飾ることになっている。また、今年からアメリカン・ル・マン・シリーズとグランダム・シリーズが統合され、新シリーズのチュドール・ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)が開催されることになっているが、コルベット・レーシングでは、北米を中心にGTル・マン・クラスの11レースにこの「コルベットC7.R」の投入を予定としているほか、6月には過去7回の優勝を誇るル・マン24時間レースのGTEプロクラスにも出場を予定している。
「コルベットC7.R」は、ベース車両である量産モデルの「コルベットZ06」と、シャシー構造、エンジン技術、エアロダイナミクス戦略など、前例のないレベルにおいてエンジニアリングやパーツの共有化が図られたものとなっている。逆に言えば、「コルベットC7.R」がレースで活躍することが、最もレースカーに近い量産モデルとして「コルベットZ06」の評価を高めることにもつながる。
コルベットのチーフエンジニアであるタッジ・ジェクターは、「コルベット・レーシングは、サーキットでの競争で学んだものを量産車の改良に用い、その結果をレースカーの開発にも応用するというゴールド・スタンダードを設定している。我々は、継続的に競争の中で学んだことから、量産車のコルベットを改良するため、より良いレースカーを造っている。新型コルベットC7.Rがサーキット上で競争力を高めることで、結果として、新型コルベットZ06はこれまでで最もサーキットに対応した量産車となる」と述べている。
GMが特許を持つアルミ・スポット溶接工程などの先進的な生産体制よって製造されたコルベットC7.Rのレース用シャシー剛性は先代のC6.Rに比べ40%強化されるとともに、新設計のリアウィングを含めた空力特性も大きく向上。搭載されるのは燃料直噴システムを採用した自然吸気5.5リッターV8エンジンとなる。
GMのパフォーマンスビークル&モータースポーツ担当副社長のジム・キャンベルは、「コルベットは、耐久レースにおいて15年にわたって成功のためのベンチマークだった。チームの成功は、コルベット・レーシングと量産車のシンボリックな関係に起因する。コルベットC7.Rは、現行のコルベットをベースにし、より競争力のあるレースカーに仕上がっている」と語った。