今シーズン限りでF1を去るマーク・ウェバーが、レッドブルの元同僚たちを痛烈に批判したコメントを自身のウェブサイト上から削除していたことがわかった。
F1のチャンピオンチームを離れ、来季からはよりリラックスした環境の下、ル・マン24時間をシリーズに含むWEC(世界耐久選手権)へポルシェから参戦するウェバー。レッドブル時代にチーム代表のクリスチャン・ホーナー、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコ、そしてチームメートだったセバスチャン・ベッテルとのぎくしゃくした関係に耐えていたことは有名な話だ。
ウェバーとホーナーはかつて、共同でGP3チームを所有するなど非常に親しい間柄であった。しかし、ウェバーは、今回削除したコメントの中で、ホーナーとは「おそらく以前ほど親しくは無い」と認めていた。
「クリスチャンは、これから長きにわたってチームにとどまるだろう。ほかから声がかからない限り、永遠にいるだろうね。だから、彼はできる限りすべてを円滑に保とうと必死なのさ」
「中には、僕のメリットにならないようなこともあった。それもあって、僕たちの関係はこじれた」とウェバーは語っていた。
また、事あるごとにベッテルの味方をしてきたマルコとの緊迫した関係は、誰の目からも明らかだった。同じく削除されたコメント内で、ウェバーはマルコについて次のように述べていた。
「彼(マルコ)のチーム内における役割が、いまだによくわからないね…うん。彼は初対面のときから僕にとても批判的だった。でも結局、彼は何かある度に明らかにセブ(ベッテルの愛称)を救ってきた。なかなか偉大な仕事をしてきているよ」
「彼はおそらく、F1で1チームにクルマが2台なくちゃいけないことに失望しているんだろうね。でも、それがルールさ」とウェバーは記していた。
F1世界選手権4連覇を果たした元チームメートのベッテルについては、「とてつもない才能を持っている」と称賛することから始めている。
「彼の強さが、予選と決勝で最初の5周にあることはみんな知っている。これぞ彼の武器さ。ほとんど手に負えない部分でもある」
しかし、ふたりの関係については、次のように述べている。
「僕たちの間に架かっている橋の下には、大量の水が流れている。マイナス面より、プラス面を考えるのは難しい」
「これは少し残念なことだ。なぜなら、誰しもすべての人に対し、尊敬の念を持ちたいと思っているし、できる限り辛抱強く、可能な限り大きなチャンスを与えたいと思っているものだから」
「でも、僕たちの間には、あまりにもたくさんのことが起こりすぎたんだと思う。お互いが50歳を超えたとき、僕たちの関係は変わっているかもしれないけど、これまでのことを考えるといろいろあり過ぎて、線引きするのは難しい」
「間違いなく、僕も彼もこのことでひどく思い悩んでいるわけではない。ただ、これが現実なのさ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、F1の最高権威バーニー・エクレストンがウェバーのF1最終レースでドライバーたちのサインが入ったブラジル国旗をプレゼントした際、そこにはベッテルのサインだけがなかったようだ。
そのため、エクレストンはレース後の記者会見場に現れ、旗にサインするようベッテルに個人的にお願いしていたとされる。
これを見たウェバーは、「快く思っていなかった」と同誌のミハエル・シュミット記者は語った。