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中野信治がル・マン24時間レースに挑む意味とは?

2013年06月21日(金)9:53 am

アマもプロも一緒に走る伝統のル・マン24時間耐久レース。夜間は、F1シンガポールGPのような照明はなく、暗闇を走行する。ドライバーはそのようなときこそ、冷静に判断しなければならないと、TopNewsの独占インタビューに応じた中野信治は語る。

「ル・マンはそういうレースです。状況をちゃんと冷静に判断しながら走らなければいけない、難しさもあり奥の深いレースなのです。もちろん、経験も必要だと思います」

オーバーテイクするとき、そのクルマがプロか、アマなのか判断できるのかどうか質問すると、中野は次のように語った。

「クルマの後ろに書いてあります。ステッカーを貼っていますので判断はできます。それでも、なんとなく、プロ、アマというのは走っていて分かります。このクルマはこのような動きをするのかなというある程度の予測はつきますね」

今回自身7回目となるル・マン24時間レースに挑む中野は、「勝って辞めたい」という強い意志を持っている。

「純粋に走るクルマが好きですし、勝って辞めたいという意地があります」

ル・マン24時間レースに魅了された中野。なぜ、過酷なレースに挑むのか? それは、ル・マンから多くのことを得ているからだという。

「ル・マンは夜走ることが一番大きいです。ほかのカテゴリーではなかったことですね。ドライバーも3人いますし、今までやってきたカテゴリーよりも難しさを感じています。24時間という時間を走り続けるということでも、僕にとってのこれまでとは違うまったく新しい領域でした。そこから得た“学び”は大きいです。時間の流れの概念を改めて考えさせられたのも、このル・マン24時間レースでした」

「24時間という時間が、レースをやっているときはほんとうに長いんです。永遠のように長く感じます。いろんなことが起こるので、人生の縮図だなって思いました。人も物も限界まで追い込まれて24時間戦うので、いろんなことが起こるのは当然ですし、そのようなときにそれぞれ人間の本性がでます。そこでチームの結束がなければ崩れていくこともあります。究極のぎりぎりまで追い込まれたときに、その人それぞれの本質がみてとれるので、その部分は非常に興味深いですね。そのような中で、結果を残すという今まで経験してきたことが、役に立つのかもしれないと思いました」

「昔の若いころの勢いだけで走っていると、我慢できなくなってラップタイムを速く走ることに突出してしまいます。クルマを壊してしまったり、10時間先のことを考えずに、ブレーキ、ギア、タイヤを使いすぎてあっという間にダメにしてしまいます。そのようなことは人生においても同じだと思いますので、目先のことだけとるのか、先のことを考えて今をチョイスしていくのか、人それぞれだと思いますが、そのような物のみかたっていうのが、勉強になりました。本質的な物のみかたがル・マン24時間レースに参戦して、大きくなっていきました。いい時間を毎年、厳しいながらも過ごしていますし、良い学びをもらっていますね」

中野は最後に、今年のル・マンでの一番の目標は表彰台の真ん中に立つことだという。

「表彰台に立ちたいですね。今年は7回目ですし、ル・マン24時間に関しては経験を積んできています。ル・マンでの戦い方もひっくるめて、いろんなことを理解しているつもりですので、それをかたちにしたいと思っています。表彰台という結果を残したいですね。まずは、表彰台に立ちたいというのがひとつですが、勝つことが一番の目標です」

現地時間19日(水)に行われた公式予選1回目で中野が乗るDelta-ADR(25号車)は、全体で12番手、LMP2クラスでは4番手につけている。

【ル・マン】2013年ル・マン24時間へ挑戦する日本勢 世界で最も過酷な耐久レース
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