メルセデスAMGでビジネス部門のエグゼクティブ・ディレクターを務めるトト・ヴォルフは、同チームが関わった「テストゲート」スキャンダルの生けにえとして、チーム代表のロス・ブラウンが更迭されるとのうわさを一蹴した。
6月20日(木)に行われる国際裁判所の聴聞会に召喚されているメルセデスAMGは、チーム代表のブラウンがすべての責任を負う方向で準備を進めているように見受けられる。
「テストを行う判断を下したのはわたしであり、これは紛れもない事実だ」とブラウンはF1カナダGPで述べている。
また、今季からメルセデスAMGに役員として加わったニキ・ラウダとトト・ヴォルフのふたりに前もってこの件を伝えていたかとの質問には、「コメントしたくない」と答えるにとどまった。
つまり、以前からブラウンの後継者候補の筆頭に挙げられていたマクラーレンの元テクニカルディレクター、パディ・ロウがすでにメルセデスAMGに加入したいま、ブラウンがこの「テストゲート」を理由にチームを離れるだろうというのが大方の予想だ。
元F1チームオーナーで代表を務めた経験もあるエディ・ジョーダンは、F1カナダGP期間中ドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に対し、次のように述べた。
「わたしが理解に苦しむのは、パディ・ロウがチーム代表として携わっていることだ」
「チーム代表がふたりも必要かい? 必要ないね」
一方で、ヴォルフは、ブラウンがチームの生けにえにされるとの憶測を否定した。
「われわれはひとつのチームであり、団結している。ひとりの人間に罪をなすりつけるようなことは絶対にない。お互いに助け合い、ロス(ブラウン)をサポートする」と『Sky(スカイ)』に語った。