FIA(国際自動車連盟)からストップがかかった、ルノーの2013年用エンジンマップ(制御ユニットの設定)。そのためレッドブルは新車の性能に影響が出たのではとする見方に、チームアドバイザーのヘルムート・マルコが反論した。
「まったくバカバカしい!」と、オーストリア『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』紙にマルコは吐き捨てている。
レッドブルにエンジンを供給するルノーは、昨シーズン中盤にエンジンマップを変更しなければならなかった。ルノーもレッドブルも、2013年F1シーズンにあたって設定を変えられるものと思っていたことが最近、明らかになった。
先週のバルセロナ合同F1テストで、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)はマシンのセッティングがしにくいと不満をもらしていた。チームが新車RB9に手を焼いている様子だったのも事実である。それに加え、FIAによるルノーが施した2013年用エンジンマップの禁止だ。
しかしマルコは、テストでの出来事とエンジンマップに何ら関連性はないと主張している。
「昨年、古い設定でもマシンはきっちり走ってくれた。この話は(マスコミの)誇張にすぎない」
ルノーのエンジンの責任者であるレミ・タフィンも同様の意見だ。
「(2012年から)排気システムが進化したことに伴い、われわれもいくつか新しい設定をエンジンに施したんだ。テストでは普通のことだよ」
「実際、マップを変えたところで違いはほとんど出なかったけどね」
マルコによると、RB9が抱えるセットアップの問題もささいなものだという。
「昨年(序盤)ほどの一大事ではないね。心配していない」
それでも、信頼性の観点からルノーは2013年用エンジンマップが許可されるよう嘆願していると、ドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌は伝えている。
しかし、それには大きなハードルが立ちはだかる。FIAの許可をもらうだけでなく、メルセデス、フェラーリ、コスワースといったほかのエンジンメーカーから同意を得なければならないのだ。