資金難からF1チーム消滅に追い込まれたHRTが、新たな形で復活する可能性がある。
HRTの母国スペインの『AS(アス)』を含む複数のメディアの報道によると、カナダとアメリカの投資家グループがHRTの2012年型車をベースに2013年のF1参戦を計画しており、エンジンはコスワース、ギアボックスはウィリアムズ製になる、と具体的な情報も出ている。
「スコーピオン・レーシング」と呼ばれるこのチームは、イギリスのシルバーストンを拠点に、HRTから買い入れた設備を使う予定だ、と『Press Association(プレス・アソシエーション)』は報じている。
しかし、この「スコーピオン」の参戦にはひとつ大きな壁が立ちはだかっている。2013年シーズンのF1参戦申し込みは、2012年11月に締め切られているのだ。
F1ボスのバーニー・エクレストンは「新チームの関係者と話をして、参戦申し込みについてはFIA(国際自動車連盟)に掛け合うように言った」と、新チーム出現の報道を認めながらも、2013年の参戦には懐疑的な見方を示している。
「彼らはHRTが残したものをすべて買うつもりなんだ。その後、会社を作って参戦申し込みをするつもりらしい。けれど、個人的にはうまくいくとは思っていない。ちょっとタイミングが遅すぎるんだ。実現できるとしても、2014年になるだろう」
『Press Association(プレス・アソシエーション)』は、チームから確定的な情報がもたらされ次第、2013年の参戦についてFIAから回答が出るだろうと伝えている。