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ピレリ「今回あえて保守的なタイヤ選択をした」

2012年11月17日(土)23:07 pm

新設されたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕を迎えたF1アメリカGP。ピレリは、4種類あるタイヤのうち最も硬いハードと一段階軟らかいミディアムを持ち込んでいるが、未知の要素が多いことからあえて保守的なタイヤを選択したという。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。

2012年11月16日、オースティン
今日、新たな歴史が刻まれました。1990年にアリゾナ州フェニックスで開催されたアメリカグランプリ以来、ピレリがUSAでのFormula Oneグランプリに戻ってきたのです。オースティンでのフリー走行には、P Zeroシルバー・ハードタイヤとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤが使用され、各チームは新設のサーキットに馴染(なじ)む初の機会を得ました。各チームが最大限に走行できるように、ピレリは、金曜日の2つのフリー走行用に1セットのハードコンパウンドを追加供給しました。これによって、各ドライバーは通常の金曜フリー走行よりも多くのラップを走行することができました。

ここまでのところ、各チームにはシミュレーションデータしか頼るべきものが無かったため、多様なレースコンディションの下での各コンパウンドのタイヤ動作を分析するために、非常に多くの作業が行われました。第一に、土曜日と日曜日に待ち受ける予選と決勝のそれぞれ異なる燃料状態を再現するため、燃料が軽い状態とフルの状態における各コンパウンドの摩耗とデグラデーションの状態を把握する作業が行われました。各チームは、数種類の異なるセットアップを試し、ユニークな新設サーキット上でそれらがタイヤとどのように作用するのかも見極めていました。

テキサスの天候は、一日を通してドライコンディションでしたが、予選や決勝と同時間帯に行われた午後のフリー走行2回目(FP2)は、気温約20℃、路面温度約30℃の予想よりも涼しいコンディションでした。通常通り、フリー走行1回目(FP1)では、各チームはハードタイヤのみを使用して、サーキットになじむこととセットアップ作業に集中していました。

午後に行われたFP2では、各チームはミディアムタイヤも使用し、日曜日のレース戦略を組み立てる際に不可欠な情報を得るための、タイヤに関する詳細な評価作業を行いました。オースティンのアスファルトは新設のため、路面の改善は大きく、ラバーが乗るにつれてラップタイムは速くなっていきました。この傾向はレース週末を通して継続するでしょう。

金曜日の最速タイムは、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがFP2でミディアムタイヤを使用して記録した1分37秒718でした。FP1でもベッテルが最速で、ハードタイヤで1分38秒215を記録しました。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント
「今日のフリー走行は、今シーズン唯一の新設サーキットに各チームがなじむことに尽きました。気候状態が予想より涼しかったこともあり、両コンパウンドともに摩耗とデグラデーションは非常に低く、日曜日の決勝は1ストップになるものと思われます。しかし、より明確な予測を立てるためには、今晩すべてのデータをより詳細に分析する必要があります」

「両コンパウンドは予想通りに機能し、われわれのデータシミュレーション作業が非常に正確であることが証明されましたが、日曜日の戦略に影響を与える大幅な路面の改善も考慮しなければなりません。コンパウンド間の性能差は、ラップあたり0.5秒程度と見ています。これによって、各チームには、ピットストップのタイミングでアドバンテージを得る多くの機会が生まれます。とは言え、ここは多くの未知の要素が潜在する新しいサーキットですので、われわれは今回あえて保守的なタイヤ選択をしました」

今日の数値:
使用タイヤセット数
ハード 71
ミディアム 24
インターミディエイト 0
ウェット 0

コンパウンド毎の最多ロングラン
ハード 19 小林
ミディアム 14 グロージャン
インターミディエイト 0
ウェット 0

今日の豆知識:
ピレリが最後にUSAでFormula Oneのレースに参戦した1990年のフェニックスグランプリでは、ピレリはブラバム、ミナルディ、ザクスピードの3チームにのみタイヤを供給していました。特にミナルディは、ピレリの高速な予選用タイヤを武器に大物チームに勝ち、ピエルルイジ・マルティニが予選で驚くべき2番グリッドを獲得しました。ポールポジションを獲得したフェラーリのゲルハルト・ベルガーとの差は、わずか100分の7秒程でした。

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