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2012年の大混戦はF1にとって良いことか?

2012年05月23日(水)2:40 am

2012年シーズンは、開幕からの5戦をそれぞれ異なるチームが制した。この大混戦に対して、現在の状況は果たしてF1にとっていいのかという議論が巻き起こっている。

「トランプを取り出して、それを空中に放ち、地面に表側で落ちたカードのメモを取る」とイギリスの『Guardian(ガーディアン)』紙のポール・ウィーバー記者は記し、さらにこう続けた。

「それを繰り返して、繰り返して、これで5回だ。これで夢中になるかって? 多分、逃げ出したくなるだろう」とバラバラに散らばるトランプに現状のF1を重ね合わせ、あまりにも予測が難しい混戦模様を批判している。

F1で3度世界王者の座に輝いたニキ・ラウダは、1970年代からF1にかかわり続けてきた。そのラウダも、シーズン開幕当初はこの予測不可能な状況を楽しめていたものの、今ではあまりにも混戦で予測不能な状態になっていると指摘した。

「去年セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が勝ちまくっていたときは、退屈に限りなく近かった」と『Servus TV( セアヴスTV)』でラウダは語り、「ところが今はあまりにも混沌(こんとん)としていて、ほとんどついていけない」と続けた。

「こんな感じでシーズンが進んで行ったら、最終的には完全に混乱しているだろう」とラウダも困惑気味だ。

チャンピオンチームであるレッドブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツは、2012年の選手権を「宝くじ」になぞらえ、ラウダの意見に賛成している。

「私にマルドナード(パストール・マルドナード/ウィリアムズ)がどうやって0.8秒も(スペインで)速かったのかを説明できるだろうか? 1周でではなく、1つの区間でだ!」とマテシッツはまくし立てた。

2012年シーズンは、同様に開幕からの5レースで5チームが勝利を挙げた1983年に例えられてもいる。

だが『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』に寄稿しているリビオ・オリッキオは、1983年には3つのタイヤメーカーがしのぎを削り、F1で台頭し始めたターボエンジンが自然吸気エンジンと競い合っていたことを指摘した。

今シーズンの大混戦はピレリタイヤに起因するものではあるが、HRTのペドロ・デ・ラ・ロサはこの状況を楽しんでいるようだ。

『EFE通信』によると、デ・ラ・ロサは「何が起こるか予測するのは不可能だ。だから僕としてみれば、今シーズンは僕が経験してきた中で最高のシーズンだよ」と語っている。

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