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F1第6戦モナコGPの見どころ

2012年05月22日(火)23:25 pm

前戦スペインGPからヨーロッパでの戦いが始まった今季F1。今週末は、セレブの集う街モンテカルロで、伝統のモナコGPが開催される。

・開催サーキット
モナコGPが開催されるのは、モンテカルロの市街地を閉鎖し、ガードレールで囲んだ特設コース、モンテカルロ市街地サーキット。公道を利用しているため、道幅が非常に狭く、曲がりくねっていることから、コース上での追い抜きはほぼ不可能になっている。ミスをするとすぐガードレールに接触してしまい、リタイアにつながることが多く、セーフティカーが導入される可能性も高い。

シケインやヘアピンが多い曲がりくねったコースであるため、低速コーナーでの性能やコーナー出口での加速力、ブレーキング時の安定性などが重要になる。高速コーナーが少ないことから、空力によるグリップの高さだけではなく、サスペンションのセッティングなどによる「メカニカルグリップ」の高さも必要になるコースだ。

タイヤサプライヤーのピレリは、4種類あるドライタイヤのうち、最も軟らかいスーパーソフトとその次に軟らかいソフトを持ち込む。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。スーパーソフトはタイヤ側面のロゴなどが赤、ソフトは黄色で書かれている。

・予選重視? タイヤを温存?
モナコは非常に抜きにくいコースであるため、予選で1つでも前の順位に出ることが重要になる。たとえ決勝を速く走れるクルマでも、コース上での追い抜きがほぼ不可能なレイアウトになっており、コース上で前のクルマを抜いて順位を上げるのが困難なためだ。

そこで、各チームともこれまでのレース以上に予選を重視することが予想される。今シーズンはタイヤの性能低下が激しいと話題になっており、予選でタイヤを節約するため、予選の最終セッションまで進みながらもタイムを残さないドライバーもいたほどだ。しかし、モナコではこういった戦略の効果が小さくなると思われる。

タイヤを温存したことによる恩恵を受けるには、前をふさがれない状態でライバルよりも速いラップタイムを刻む必要がある。この戦略はセーフティカーが導入されると不利になることが多いため、セーフティカー導入の可能性が高いモナコには向いていないとも言える。各チームがモナコでは予選重視の戦略に切り替えるのか、それとも決勝を重視してタイヤを温存するのか、そんな点にも注目だ。

・優勝争いは?
今シーズンのF1はかつてないほどの接戦になっており、開幕からの5戦で5チーム、5人のドライバーが優勝した。今シーズンはタイヤをうまく使えたチームが速さを見せ、優勝につながっている。開幕からの4戦で優勝したマクラーレン、フェラーリ、レッドブル、メルセデスAMGには今回も優勝のチャンスがあると見ていいだろう。

また、前戦スペインGPで優勝したウィリアムズのチャンスは未知数だ。しかし、モナコでもウィリアムズのチャンスは大きいとする意見もあり、前戦で優勝したパストール・マルドナード本人もチャンスはあると語っている。そして、ロータス勢も開幕から速さを見せており、目を離せない。もしロータス勢が優勝した場合、開幕からの6戦で6チーム目、6人目の優勝者が生まれることになる。

・小林可夢偉、ザウバーの動向は?
小林可夢偉の所属するザウバーは、スペインGPで改良を行い、2台そろって予選の最終セッションに進んでいた。しかし、可夢偉はトラブルが発生したため予選の最終セッションを走れず。それでも決勝では、可夢偉が自己最高タイの5位に入っており、ザウバー陣営は改良の効果に自信を持っている。

昨年までは、低速コーナーを苦手としていたザウバー。今年は、その低速コーナーの改善を目指したクルマ造りを行っており、低速コーナーの多いモナコでその効果が試される。ちなみに、昨年のモナコGPで可夢偉は5位に入っていた。今年はその記録を上回ることが目標だと可夢偉は語っている。

ル・マン24時間、インディ500に並び、世界3大レースと称されるF1モナコGP。通常のスケジュールとは異なり、木曜日に幕を開ける。今年は24日(木)現地時間10時(日本時間17時)からのフリー走行1回目で開幕。決勝は27日(日)現地時間14時(日本時間21時)にスタートする。

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