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【ホンダF1特集:パート3/5】アロンソの忠誠心の欠如

2020年01月01日(水)0:04 am

このホンダF1特集では5つのパートに分けてホンダの“第4期”F1活動のここまでの経緯を振り返ってみる。

■【パート3/5】アロンソの忠誠心の欠如

2015年にホンダがF1に持ち込んだ新世代のハイブリッドエンジンが失敗作であったのは確かだ。しかし、ロン・デニスというカリスマを失ったマクラーレンにとって必要だったのは、ホンダという企業の技術力とレースにかける思いを信頼し、最終的には成功するという信念のもとに一致団結してプロジェクトを進めることだったはずだ。

だが、そうした一枚岩となるべきプロジェクトを内側からかき乱してしまう存在があった。フェルナンド・アロンソだ。そして事は起こった。

筆者に言わせれば、控えめに見ても日本の文化は我々のものとは大きく違っている。日本の人たちの中には異論を唱える人もいるかもしれないが、日本では名誉、忠誠心、忍耐が尊ばれ、公然と侮辱を行うことは基本的にタブーなのだ。

しかし、アロンソはホンダの母国・日本で行われたレース中に無線を通じて公然と「(ホンダは格下の)GP2エンジンだ」と叫ぶなど、ホンダに対する批判的かつ侮辱的な姿勢をあらわにするようになった。

F1の世界において、アロンソが行ったような言動は必ずしも珍しいことではないかもしれない。だが、マクラーレン・ホンダにおいてアロンソが見せた姿勢は賢いものでなかったばかりか、最悪の場合、チームを自滅へと導くのに十分なものだった。

しかし、アロンソは知ってのとおり情け容赦ないかもしれないが、F1というスポーツほど厳しくて情け容赦ないものはない。

ともあれ、マクラーレンとホンダは2017年限りで決別し、アロンソもボロボロのキャリアのまま2018年限りでF1マシンから降りてしまったが、ホンダが攻撃的なアロンソとは二度と組まないだろうことは明らかだ。

アロンソは猛烈な戦士で、日本のサムライに敬意を払って侍のタトゥーを背中と首に彫っているが、サムライは賢く、やり手で、なにより忠誠心を重んじるのだ。

(文:Andrew Maitland/翻訳・編集:トップニュース編集部)

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