マクラーレン・レーシングCEOのザック・ブラウンが、自分たちのチームには2022年にルイス・ハミルトンを迎え入れるための“空き”はないと語った。
2020年には通算7回目のF1ドライバーズタイトル獲得に成功し、これまでミハエル・シューマッハが持つF1史上最多タイトル獲得記録に並んだメルセデスのハミルトン。しかし、昨年で満期を迎えたメルセデスとの契約更新交渉には非常に時間がかかり、結局2021年だけの1年契約締結で合意している。
一方、レッドブルとマックス・フェルスタッペンの契約には“パフォーマンス条項”と呼ばれる契約解除条項が存在することも明らかとなっており、もしもフェルスタッペンが2021年にF1タイトルを獲得することができないことがはっきりした場合は、フェルスタッペンは本来2023年までとなっているレッドブルとの契約を解除して2022年にはメルセデスに移籍する可能性もあると考えられている。
こうした中、ブラウンは『Daily Mail(デイリー・メール)』に次のように語った。
「ああ、私も2022年には(メルセデスは)マックスとジョージ(ラッセル/現ウィリアムズ)になると思うよ」
「マックスには経験と若さがあり、ジョージにも若さがある。もし私がメルセデスなら、それが今後の5年間に向けた非常に素晴らしいラインアップになるだろうね」
仮に36歳のハミルトンがほかのチームへの移籍を考えることになった場合、ブラウンの前任者であるロン・デニスの指導のもとで2007年にF1デビューし、翌2008年に初のF1タイトルを獲得したマクラーレンもその候補のひとつになるかもしれない。
しかし、ブラウンはダニエル・リカルドとランド・ノリスによる現在のラインアップに満足しているようだ。
ハミルトンを2022年の候補ドライバーとして検討する可能性はあるかと尋ねられたブラウンは次のように答えた。
「現時点の状況からすれば、ノーだね。なぜなら、我々はダニエルとランドに非常に満足しているからだ。それに彼らとは長期契約を結んでいる」
「今ルイスが戻ってくるとしてもやれるのは1年か2年だろう。それに、我々はまだF1タイトルを狙える位置にないことも分かっている。だから、我々にはその位置に到達するためのドライバーラインアップを整え、そこに到達したときに彼らがタイトルを狙えるようにしておくことが必要なんだ」
「もちろん、ダニエルにはそれができる。ルイスに関してはタイミングがよくないと思うよ」
バーレーンで行われた今年のF1プレシーズンテストではマクラーレンがかなりのパフォーマンスを示したものの、現チャンピオンチームであるメルセデスは技術的問題を抱えたこともあり、さほど力強さを示すことができなかった。
これにより、F1関係者やメディアの中には、今年からメルセデスエンジンを搭載するマクラーレンがメルセデスを食ってしまう可能性もあるのではないかと考えている者もいる。
「トップ争いをするのは難しいだろうが、それは我々の進歩を示すものだ」
好調だったバーレーンテストを振り返りながらそう語ったブラウンは次のように付け加えた。
「まだやるべき仕事は残されているが、それは素晴らしいことであり、私はその時間すべてを楽しんでいるよ」