元F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、ハースはミック・シューマッハがF1デビューするのにふさわしいチームではないと考えている。
かつて父親のミハエル・シューマッハが所属していたフェラーリの契約下にある21歳のミックは、そのサポートにより今季はフェラーリエンジンを搭載するハースからF1デビューすることになった。
だが90歳のエクレストンは、ミックの将来を考えたとき、ハースが望ましいデビューチームだとは言えないと次のように語った。
「その名前(シューマッハ)はF1に欠かせないものだ」
「だが、私は彼のことを少し気の毒に思っている。彼には素晴らしい資質があるが、今一緒にいる人たちとではそれを十分にいかすことができないからだ」
「あそこには彼に多くのことを教えることができる者など誰もいないだろう。彼は自分でやるしかない」
「ミックにとって完璧なチームはレッドブルのようなところだ。あそこにはレースに勝利する技術もあれば彼を適切にサポートすることができる人材もいる」
「彼のF2でのパフォーマンスは素晴らしかった。だがそれを現在のチームで再び見せるのは簡単なことではないはずだ」
しかし、ミックを送りこんだこともあり、フェラーリは今季ハースとの技術提携をさらに強化している。マラネロにあるフェラーリのファクトリー施設内にハース専用の建物を割り当て、昨年までフェラーリに在籍していた技術者たちも何人かハースに転籍させているほどだ。
それでも、エクレストンは今月22日(月)に22歳となったばかりのミックは今年非常に厳しいシーズンを過ごすことになると考えている。
「彼はすでに大きな問題を抱えている。彼はビッグネームという重荷を背負っているからだ。みんなはこう言うだろう。『彼は父親ほど優秀ではない』とね」
「今後、我々は彼がさらに大きなハンデキャップを抱えるのを目にすることになるだろう。彼が運転するクルマだ」
そう語ったエクレストンだが、希望がないわけではないと次のように締めくくっている。
「しかし、こういうことがいい方向に向かうこともたまにはある。大変な思いをして、それによって成長することもあるからね」