メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)が現在置かれた状況に理解を示しつつも、それは自らの決断によって招いたものだと語った。
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3度目のF1ドライバーズタイトルを手にするために2015年にマクラーレン・ホンダに移籍したアロンソだが、3年目となる今季もタイトル争いに加わることはおろか、完走すらままならないシーズン序盤を過ごしている。
明らかに不満を募らせたアロンソは、F1モナコGP(5月28日決勝)を欠場し、同日にアメリカで行われるインディ500への挑戦を決めている。
■アロンソのインディ500挑戦は理解できる
現役時代に3度F1チャンピオンとなった伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、アロンソがどうしてインディ500に挑戦しようと思うに至ったかはよく理解できるとスペインのテレビ局『Movistar(モビスター)』に次のように語った。
「彼は退屈しているのさ。そして彼は挑戦することを必要としているんだ」
「ドライバーとして、私もそれは理解ができる。だが、マクラーレンとしては彼らが最高の結果を得られる可能性がある1年でも最も重要なレースを欠場してまで彼にその機会を与えるというのは厳しい決断だったはずだ」
「アロンソにとってはいい決断だよ。彼はここではできないことをあそこで楽しむことができるからね。私も彼がインディでどういうことができるのかすごく興味があるよ」
■アロンソがメルセデスやフェラーリに移籍するのは無理
そのアロンソに関しては、仮に2018年にF1にとどまるとしても、今季で契約が満期を迎えるマクラーレン・ホンダにそのままとどまることはなく、どこかほかのチームに移籍することになるだろうとうわさされている。そして、すでに古巣のルノーと交渉の機会を持ったようだとも伝えられている。
だが、3度目のF1チャンピオンとなることが最大の目標であるアロンソにとって、来季すぐにそのチャンスを与えてくれるチームがあるとすれば、それは現時点ではフェラーリかメルセデスAMGということになるだろう。
しかし、ラウダはその2チームにアロンソが移籍できる可能性は小さいだろうと見ている。
「彼はこれまでチームを離脱するときにいろいろとトラブルを起こしていた。私にはフェラーリがまた彼を欲しがるとは思えないよ。彼は(離脱したとき)まだ契約を残していたんだからね。同じことは我々(2007年のマクラーレン・メルセデス)のところでも起こった」
2007年にメルセデスのファクトリーエンジンを搭載していたマクラーレンに移籍したアロンソが、チームやチームメートだったルーキーのルイス・ハミルトン(現メルセデスAMG)との関係悪化により、わずか1年で契約を中途解除して離脱したことに言及したラウダは、次のように続けた。
「我々(メルセデスAMG)のところには自分の仕事ができるドライバーがいる。だから、もし我々がハミルトンとボッタスで勝てるのであれば、代わりのドライバーなど必要ないよ」
■アロンソは自分自身の判断ミスでチャンスを逃してきた
そう語ったラウダだが、アロンソが才能にあふれたドライバーであることには議論の余地はないと次のように続けた。
「彼は速いし、攻撃的だ。その部分については彼がベストだよ。だが、残念なことに、ドライバーたちは自分が行った判断によって自分が最高であることを証明できないことがしばしばあるものだ。そして、アロンソは多くのミスを犯してきた」
「彼はフェラーリをあまりにも早く離脱してマクラーレンへ行くことを決めた。だが、ホンダのエンジン開発に問題があることはすでに分かっていたことだ。今、彼は失望している。だが、マクラーレンへ行くと決めたのは自分だったんだ」とラウダは付け加えた。