先週末に行われた2015年F1第7戦カナダGP決勝で、ついにフェルナンド・アロンソがそのいら立つ気持ちを抑えきれなくなったようだ。
【結果】F1カナダGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
アロンソは、マクラーレン・ホンダがまるで自分を“アマチュア”のように見せていると無線でチームに食ってかかっていた。
カナダGP決勝を13番グリッドからスタートしたアロンソだが、チームから燃料をセーブするよう無線で指示を受けると「いやだ、いやだ!」と答えたのだ。
チームから、もし燃料をセーブしないとレース後半に「大きな問題」を抱えてしまうことになるかもしれないと伝えられたアロンソはそれに対し、「もう大きな問題を抱えているよ。こんなふうにドライブするなんて、まるでアマチュアみたいだ」と反論していた。
現時点ではほかのどのドライバーよりも高額の契約金で新生マクラーレン・ホンダに移籍したアロンソだが、今回の無線でのやりとりは、いかにチームが、そしてアロンソが苦境に立たされているかを示したものにほかならない。
結局、マクラーレン・ホンダは、カナダGP決勝ではアロンソとチームメートのジェンソン・バトンの2人ともリタイアに終わるという厳しい結末を迎えていた。
モントリオールで、ある記者は、パワー不足や燃費の悪さ、そして信頼性にも大きな問題を抱えるホンダエンジンで苦戦するアロンソに対し、「こういうことになるために契約を結んだわけじゃないよね?」と語りかけていた。
さらに、アロンソが今後3度目のF1チャンピオンになる可能性があると思うかと尋ねられたF1最高責任者のバーニー・エクレストンはきっぱりと「ノー」と答えている。
だが、アロンソはそれでも、フェラーリを離脱し、苦戦続きのマクラーレン・ホンダに移籍したことを後悔などはしていないし、それは正しい判断だったのだと母国スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』次のように主張した。
「(フェラーリに残留していれば)レースで5位か6位になり、タイトル争いでも3位にはなれていただろう。だけど僕はリスクととる決断をしたんだ。それがマクラーレン・ホンダへの移籍だった」
「今は、その代償を支払っているところだ。だけど、移籍しなかったとしても5位か6位だ。以前はこんな気持ちにはなれなかったけれど、今の僕は満足しているし、今後に向けて楽観的に考えているよ」とアロンソは付け加えた。