F1日本GPの事故でジュール・ビアンキ(マルシャ)がひん死の重傷を負ってから五日が経った。日本に滞在中の父フィリップさんによると、ビアンキの容態に「めだった変化はない」という。
9日(木)にフランスの日刊紙『Nice-Matin(ニース・マタン)』に語ったものだが、F1関係者をはじめ、世界中から寄せられる励ましのメッセージに家族は元気づけられているとのことだ。
「それはものすごい量で、まったく想像もしなかったものだ」と、フィリップさん。「ジュールが誰にも親しまれる子なのは知っているが、これほどとはね」
だが、ビアンキの容態は依然、非常に深刻だという。
「(FIA嘱託医のジェラール)サイヤン教授とフェラーリの要請でイタリアから専門家が、地元の医師団と一致協力して治療に取り組んでいる」と、フィリップさんはいう。
「これ以上ない、手厚い治療を受けている。ただ、容態に大きな変化はない。今が重大な局面なのは誰もが知っている」
「だがジュールは、これまで戦ってきたように、今も怪我に立ち向かっている。まるでレースに出るようにね。彼は強い男だ」
イタリア『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』紙は、ビアンキを見舞うため二人の兄弟姉妹と彼にとって大の親友も来日したと伝えている。
父フィリップさんは、事故の映像は見ていないと、次のように語る。
「事故の場面はみたくない」「レースの事故について語るのは困難だ。私にとっては交通事故も同様だよ」
「状況次第では、追ってコメントを出すつもりだ」
FIA(国際自動車連盟)のF1レースディレクター、チャーリー・ホワイティングが進めている事故の調査は、まもなくまとまる見込みだ。イタリア『Autosprint(オートスプリント)』誌によると、ビデオ映像とチーム提供のテレメトリーを分析すると、黄旗区間にもかかわらずビアンキは目立った減速を行なっていなかった。
キミ・ライコネン(フェラーリ)は次のように話す。「こうすべきだったなんて、後からなんとでもいえる」
「あれは不運な事故だった」と、ライコネンはロシアで母国フィンランド『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙の取材に答える。「誰かが怪我するのを見たい人なんていない。ジュールが回復するよう願っている」