昨年まで不振にあえいでいた名門ウィリアムズだが、今季はトップ争いができるまでの復活ぶりを示している。その最大のけん引車となっているのがバルテリ・ボッタスであることは間違いない。
【結果】F1第13戦イタリアGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
ボッタスは、第8戦のF1オーストリアGP以降、先週末に行われたイタリアGPまでの6レースのうち4度表彰台に上っており、そのうち2回は2位となっている。イタリアGPでも予選3番手を獲得し、さらに表彰台回数を増やすかと思われたが、スタートで大きく出遅れてしまった。だが、そこから今季初表彰台を獲得したチームメートのフェリペ・マッサに次ぐ4位にまでばん回し、その能力の高さを示してみせている。
昨年まで8年間フェラーリに在籍していた33歳のベテランドライバーであるマッサも、ウィリアムズにおいて現時点で輝きを見せているのはフィンランド人ドライバーのボッタスのほうだということを認めている。マッサは先週、ボッタスのことを将来F1チャンピオンにもなれるドライバーだと称賛していた。
これまで多くの偉大なF1チャンピオンたちと仕事をしてきた経験を持つウィリアムズのパット・シモンズ(チーフテクニカルオフィサー)もボッタスを絶賛している。
「私は、彼(ボッタス)が将来のF1チャンピオンだと強く確信しているし、彼にはここウィリアムズで我々とともにそれを達成して欲しいと思っているよ」
フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』にそう語ったシモンズは、さらに次のように続けた。
「私はこれまでに2人の若手と仕事をしたことがある。フェルナンド(アロンソ/現フェラーリ)とバルテリだ。彼らは私のもとでF1キャリアをスタートさせ、成長した。そして私は彼らに多くの類似点を見いだしている」
「だが、私は全体的な能力という観点からは、バルテリのほうがフェルナンドよりもさらによくなるんじゃないかと思っているよ」
イタリアGPが行われたモンツァにおいて、来季もマッサとともにウィリアムズに残留することが正式に発表されたボッタスだが、その25歳のドライバーの可能性にはピットレーンに並ぶほとんどのチームが目をつけていたと報じられている。その中にはドライバーラインアップの一新を検討しているマクラーレンも含まれていた。
だが、ボッタスは「ウィリアムズに残留することを常に最優先に考えていた」と主張。
「僕たちは昨年からかなり改善されたし、その方向性は間違っていなかったようだ」
そう語ったボッタスは、次のように締めくくっている。
「来年はもっと強くなれると信じているし、現時点ではここが僕にとって最善の場所だよ」