2021年から3年連続でF1チャンピオンとなったマックス・フェルスタッペンだが、これまで4年間にわたってパフォーマンスコーチを務めてきた人物と別れることになったようだ。
■4年連れ添ったパフォーマンスコーチが離脱したフェルスタッペン
オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』紙によると、2020年シーズンからフェルスタッペンのパフォーマンスコーチを務めてきたイギリス人のブラッドリー・スキャンズが、今季のF1最終戦アブダビGPを最後にその仕事から身を引くことをレッドブルに伝えたという。
『De Telegraaf(テレグラーフ)』によると、スキャンズはこの4年間、フェルスタッペンが出走する全てのF1レースに帯同し、理学療法士としてフェルスタッペンのコンディション維持に務めてきていたという。
だが、年々F1レース数が増加し、2024年には過去最多の24戦が開催される予定となっていることがスキャンズ離脱の要因となったようだ。
『De Telegraaf(テレグラーフ)』は次のように説明している。
「スキャンズには他の仕事もあり、家族と家で過ごす時間を増やしたいと考えている」
スキャンズをパフォーマンスコーチに迎えた2020年から2023年までの4年間でフェルスタッペンは46勝をあげており、そこではスキャンズの貢献度もかなり高かったと考えられている。それだけに、スキャンズ離脱はフェルスタッペンにとって痛手に違いない。
■後任は元チームメートであるサインツのトレーナー
だが、『De Telegraaf(テレグラーフ)』によれば、フェルスタッペンはすでに次の手をちゃんと打っていたようだ。
同紙によれば、フェルスタッペンはスキャンズの後任としてイギリス出身のルパート・マンウォリングを新たなトレーナーとして迎えることになったという。
古くからのF1ファンの中にはこの名前に聞き覚えのある方もいることだろう。1956年生まれのマンウォリングは、かつてブラバム、ロータス、ティレルなどでマネジャーを務めていた人物であり、フェルスタッペンの父親であるヨス・フェルスタッペンとも一緒に仕事をしたことがある人物だ。
だが、今回フェルスタッペンが新たなパフォーマンスコーチとして迎えるのは、その67歳のマンウォリングではなく、同じ名前を持つ息子の方だ。そして、その若いマンウォリングはこれまで何年にもわたってカルロス・サインツ(フェラーリ)のパーソナルトレーナー兼理学療法士を務めてきていた人物だ。
つまり、どうやらフェルスタッペンがかつてトロロッソでチームメートだったサインツからトレーナーを引き抜いたということのようだ。
■2023年には前向きなこともあったとサインツ
スペイン出身ドライバーである29歳のサインツは、今季の第16戦シンガポールGPでレッドブル以外のドライバーとして今季唯一の勝利をあげている。だが、第22戦ラスベガスGPではマンホールの蓋でマシンにダメージを負うという不運があり、最終戦アブダビGPはレース終盤にトラブルでリタイアとなるなど、あまりいい形で今年を締めくくることはできなかった。
サインツは、アブダビでのレース後に次のように語っていた。
「2023年には前向きなことがたくさんあるのも事実だけど、今はそのことを考えるのは難しいね」
「シーズン終盤の2レースは僕にとってものすごく厳しいものだったよ。僕にとっては何もかもうまくいかなかったんだ」
「だけど、一眠りして、また気分がよくなりさえすれば、よかったことを振り返ることができるはずだよ。それは間違いなくあったからね」
しかし、サインツにとっては2024年シーズンを迎えるにあたって、長年慣れ親しんできたトレーナーとの別れが痛手となるのも確かだろう。