アメリカ大陸3連戦の3戦目、F1第21戦サンパウロGP(アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェ、ブラジル)決勝レースが行われた。
●【2023F1第21戦サンパウロGP】決勝レース・全セッションの結果
優勝はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2位はランド・ノリス(マクラーレン)、3位はフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)だった。
フェルスタッペンは今シーズン17勝目、通算52勝目を飾った。
レッドブル・レーシングと同じホンダRBPTのパワーユニットを搭載するアルファタウリF1だが、角田裕毅は単独で脱輪するミスをして順位を落としたもののなんとか挽回して9位入賞、ダニエル・リカルドは精彩を欠き13位だった。
■アロンソとペレス、歴史に残る名勝負!
アロンソとセルジオ・ペレス(レッドブル)が歴史に残る名勝負で魅せてくれた。
残り2周となった70周目のターン1、ペレスがとうとうアロンソをオーバーテイク!DRSの2つ目のターン4もペレスが守り切り、これで勝負はあったかに思われた。
しかし最終ラップの71周目のターン1、ここはペレスが守り切ったもののややミスをした。それを見逃さないアロンソはターン3の立ち上がりでピッタリとペレスの背後についてストレートでDRSをオープン!
守るペレスはイン側へ車線変更、DRSで攻めるアロンソはアウト側でターン4へ向かい、ペレスを抜ききるとややイン側に寄せてターン4に入って3位を奪い返した!
しかしまだ2人の戦いは終わっていなかった。事実上の最終ターンであるターン12を抜けてホームストレートに向かうところで、ペレスはアクセル全開、エナジーパワー全開、そしてDRSをオープンにして最後の直線に賭けた!
守り切りたいアロンソにもピットから「エナジーボタンを押しっぱなしにしてくれ」と指示が飛び、こちらもアクセルとエナジー全開だ。
ペレスはアウト側に横並びになり、フィニッシュラインを通過した時、両者の差はわずか0.053秒でアロンソが先にチェッカーフラッグを受けた!ペレスはそのままアロンソを抜き去ったが悔しい4位となった。
このバトルは今後、永遠に語り継がれる歴史に残る名勝負となったことは間違いない。
■フォーメーションラップでルクレールが突然クラッシュ!
このレースはフォーメーションラップから波乱含みだった。
フォーメーションラップでは、2番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がターン7で突然リアタイヤがロックしてバリアにクラッシュした。
ルクレールは「なんで僕はこんなアンラッキーなんだっ」と悲痛の叫び声。
ルクレールは右フロントウィングを壊しており、動いて戻ろうとしたが、足回りにもダメージがあったようでコース脇に止めてしまった。どうやらハイドロ系(油圧系)のトラブルが発生したようだ。
ルクレールは再始動したもののピットに戻るのを諦めてコース脇にマシンを入れた。
■スタート直後にクラッシュ!
2番グリッドが空席のままレースはスタート!フェルスタッペンが難なくターン1へ。
後方では13番手スタートのアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)がアウト側に出ると、イン側のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)と接触!
ヒュルケンベルグは、右側にアルボン、左側はケビン・マグヌッセン(ハース)にサンドイッチされていて避けようがなかった。
マグヌッセンもアルボンのクラッシュに巻き込まれ、前のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)のリアに接触し、ピアストリもダメージを受けた。
また、外れたタイヤが飛んできて、ダニエル・リカルド(アルファタウリ)のマシンのリアに当たってリアウィングが破損した。
レースはすぐにセーフティカー出動となった後すぐに赤旗中断となり、全車ピットレーンに戻った。ピアストリ、リカルドはガレージに戻ってマシンの修復作業をして再スタートに間に合わせた。
フォーメーションラップでクラッシュしたルクレールはすでにマシンを降りていたが、赤旗中断を見て慌ててマシンに戻ろうとした。しかし、チームはリタイアを決定した。
■角田裕毅、ミスをするも9位入賞
17周目、10番手を走行していた角田裕毅がバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)に先行を許して11番手に下がった。
リプレイ映像ではターン10の入口でやや左に膨らみすぎ、左タイヤを芝生に落としてしまい姿勢を乱していた。もったいないミスだ。その隙を狙ってボッタスが10番手に上がっている。
しかし、ペースが速かった角田裕毅は、その後は落ち着いて追い上げ、ハミルトンの後ろの9位でチェッカーフラッグを受けた。
■F1サンパウロGP:暫定結果
1 M.フェルスタッペン(レッドブル)
2 L.ノリス(マクラーレン)
3 F.アロンソ(アストンマーティン)
4 S.ペレス(レッドブル)
5 L.ストロール(アストンマーティン)
6 C.サインツ(フェラーリ)
7 P.ガスリー(アルピーヌ)
8 L.ハミルトン(メルセデス)
9 角田裕毅(アルファタウリ)
10 E.オコン(アルピーヌ)
11 L.サージェント(ウィリアムズ)
12 N.ヒュルケンベルグ(ハース)
13 D.リカルド(アルファタウリ)
14 O.ピアストリ(マクラーレン)
ー G.ラッセル(メルセデス)
ー V.ボッタス(アルファロメオ)
ー G.ジョウ(アルファロメオ)
ー C.ルクレール(フェラーリ)
ー K.マグヌッセン(ハース)
ー A.アルボン(ウィリアムズ)