アウディの最高財務責任者(CFO)を務めるユルゲン・リッタースバーガーが、アウディのF1参戦計画には何の変更もないと主張した。
■F1参戦計画の見直しが噂されるアウディ
フォルクスワーゲン傘下にあるドイツの自動車メーカーであるアウディは2026年からエンジンサプライヤーとしてF1に新規参戦することになっており、現在はアルファロメオというチーム名で戦っているザウバーを買収して自分たちのワークスF1チームとする計画を進めている。
だが、最近ではアウディがそのF1参戦計画を白紙に戻す可能性があるとの噂がささやかれるようになっており、同じくフォルクスワーゲン傘下にあるポルシェがそのプロジェクトを引き継ぐ可能性があるとか、さらにはトヨタがアウディの代わりにザウバーを買収してF1に復帰する可能性があるといった噂まで飛び交うようになっている。
■F1参戦以外の決定は下されていないとCFO
だが、このほど、リッタースバーガーはビジネス関連専門メディアとの会合において、アウディはザウバーと共同でF1に参戦する計画を進めていると主張した。
ドイツの『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』は、リッタースバーガーが次のように語ったと報じている。
「我々は取締役会と監査役会において明確な意思決定を行った」
「我々は2026年の(F1)参戦に向けたスケジュールを忠実に進めている」
「それ以外の決定はない」
■アウディ新CEOはF1参戦に消極的?
だが、リッタースバーガーが言及したその取締役会での決定は1年以上も前に下されたものであり、その後今年の9月にF1参戦計画を主導していたフォルクスワーゲンの取締役でありアウディの会長であったマルクス・ドゥスマンが解任されるなど、フォルクスワーゲンとアウディの内部で変化が起こっているのは確かだ。
ドゥスマンの任務は元ポルシェのゲルノート・デルナー新アウディCEOが引き継いだ形となっているが、伝えられるところによれば、デルナー新CEOは、F1よりも市販車製造とコスト削減に集中したいという考えを持っているという。
アウディとザウバーのF1プロジェクトが今後どのような進展を見せるのか、もう少し様子を見ていく必要がありそうだ。