フェラーリのカルロス・サインツは、現在圧倒的な力でF1を支配しているレッドブルにライバルチームがすぐに追い付くことは難しいだろうと考えている。
■2022年の新ルール導入以来圧倒的な強さを誇るレッドブル
2022年にそれまでとは大きく異なる新たな技術レギュレーションが導入され、F1マシンはシャシーそのものがダウンフォースを発生するグラウンドエフェクト効果を持つものに変わっている。そして、その2022年からはマックス・フェルスタッペンを擁するレッドブルが圧倒的な強さを誇っている。
現在の技術レギュレーションは2025年までは基本的に変わらないため、2026年に再び新たなレギュレーションが導入されるまではフェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得し続ける可能性があると考えている者も少なくないようだ。
■フェラーリは自分たちに欠けているものを突き止めた
今季ここまでのところ、レッドブルのドライバー以外で唯一勝利することができたのはサインツだが、彼はフェラーリが2023年型マシンの問題が何なのかを突き止めたと主張している。
「僕たちは、自分たちに何が欠けているのかがはっきりとわかっているよ」
母国スペインのマドリードで行われたスポンサーイベントでそう語ったサインツは、次のように続けた。
「僕たちはそれを特定し、理解することができているんだ」
「それができるチームがあるとすれば、それはフェラーリだと僕は思っている。だけど、時間が経てばわかることさ」
■今年はレッドブルだけが飛び抜けている
しかし、現時点においては、レッドブルとの差がかなり大きいこともサインツは認めている。
「彼ら(レッドブル)がいなければ、F1において最も力が接近した面白い年のひとつになっていただろうね。アストンマーティン、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスがみんな同じようなレベルにあるからね」
2023年シーズンについてそう語った29歳のサインツは、次のように付け加えた。
「だけど、実際には、0.5秒前にいる者がいるんだ」
■フェラーリの改良パーツ投入は日本GPが最後だった
実際のところ、トップチームの多くはすでに2023年型マシンの開発を基本的に中止し、2024年型マシンの開発に集中している。
「僕たちもそうしたよ。日本に持ち込まれたのが最後の改良パーツだったんだ」
そう認めたサインツは、次のように付け加えた。
「来年のマシンはすでに決定しており、今は風洞でそれを改良しているところだよ」
■レッドブルの模倣はそれほど簡単ではない?
今季は、マクラーレンが序盤こそ苦戦を強いられたものの、シーズン中盤には大きな進歩を遂げて見せた。これはマクラーレンがレッドブルのコンセプトを模倣したためだと考えられており、ほとんどのトップチームが2024年に向けて同じ手法を取り入れることはほぼ確実だと考えられている。
だが、サインツは、それはそれほど簡単なことではないと考えている。
「レッドブルは2年先を行っているんだ。だからまず、彼らのレベルに到達することの難しさがある。今、彼らが圧倒的な強さを見せているのはそのためだよ」
「でも、時が経てばわかることさ。僕たちは自分たちのことに集中する以外にないんだ」。
■今後に向けては楽観的に考えていくしかない
2025年シーズンまでレッドブルが圧倒的な力を示し続けると思うかと尋ねられたサインツは、次のように答えている。
「時間が経てばわかることだよ。僕にはわからない。どう答えていいかわからないよ」
「僕にできる唯一のことは楽観的でいることさ。そして、フェラーリのようなチームにはそれができる能力があると思うことだ。マクラーレンが大きく前進できたのであれば、なおさらね」
そう語ったサインツは、次のように付け加えている。
「少なくとも、僕たちは自分たちが何に取り組み、何を改善しなければならないかを知っているし、それでレッドブルのレベルに到達することができるのならいいと思う。僕はもちろんそう願っているよ」。