レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、セバスチャン・ベッテルの環境保護問題への姿勢が変わらない限り、F1への復帰は難しいかもしれないと考えているようだ。
■ベッテルが環境問題担当としてF1に復帰する可能性も
2022年シーズンを最後にF1現役生活にピリオドを打ったドイツ出身の36歳のベッテルだが、近年は自ら率先して気候変動問題や環境保護問題に取り組んでいることで知られている。
そして、最近、F1最高責任者のステファノ・ドメニカリCEOが、サステイナビリティ(持続可能性)問題担当としてベッテルがF1に戻ってくる可能性を示唆したと報じられている。
■ベッテルは自分自身を見つける必要があるとマルコ
だが、かつてベッテルをF1に導いた人物でもあるマルコは、先週末のハンガリーにおいてドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「私にはセバスチャンが戻ってくるかどうかは分からない」
「彼はまず自分自身を見つけなければならないよ。そして、彼はF1ではこれからも燃焼エンジンが使われることも認めなければならない」
そう語ったマルコは、ベッテルが最近、F1がこれからも炭素の排出を続ければ消滅の危険性すらあると警告したこと反論するように、次のように付け加えている。
「木は森で育つし、それはいいことだ。そこが私と彼の違うところだよ。なぜなら、私は自分の森で森林管理を実践することを楽しんでいるからね」
実際のところ、ベッテルも内燃機関の廃止を進めようとしているわけではなく、現在はカーボンニュートラルを目指すために100パーセント合成燃料の普及にも取り組んでいると伝えられている。
■今年のレッドブル独走はライバルのお陰?
一方、今年のレッドブルの圧倒的な強さについて質問されたマルコは、その大きな理由のひとつはライバルチームが強さを発揮することができていないためだと主張している。
「フェラーリとメルセデスは期待に応えることができていないよ」
80歳のマルコはそう語ると、次のように付け加えた。
「2022年から2023年に向かうにあたり、彼らは当初、進歩するのではなく逆に後退してしまっていた。そして、ライバルに一貫性がなかったからこそ、我々が選手権において非常に大きなリードを築くことができたんだ」