2023年F1第11戦イギリスGP(シルバーストーン)の決勝レースが行われ、優勝はポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が6連勝で今季8勝目、チームは開幕戦から10連勝を飾った。
レッドブルは昨年の最終戦から11連勝を飾り、1988年にアイルトン・セナとアラン・プロストが圧倒的な強さを見せたマクラーレン・ホンダに並ぶ偉大な大記録を達成した。
●【2023F1第11戦イギリスGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
2位はランド・ノリス(マクラーレン)、3位はルイス・ハミルトン(メルセデス)で、イギリス人同士の激しくもクリーンなバトルを観客に魅せた2人が表彰台に立った。
新人オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は4位に入賞、マクラーレンとしてはダブル表彰台は逃したものの母国GPで2位と4位という素晴らしい復活を成し遂げた。5位には母国GPのジョージ・ラッセル(メルセデス)、6位は15番グリッドから追い上げたセルジオ・ペレス(レッドブル)だった。
■レースレポート
1周目
スタート!
マクラーレンの2台が素晴らしいスタートを決めて、2番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)がターン1をトップで通過、3番グリッドのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)もマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に並びかけるが、ここはフェルスタッペンが守り切った。
3番手ピアストリはフェルスタッペンに食らいつく。
2周目
ノリスはフェルスタッペンとピアストリを従えてレースをリードする。
ルイス・ハミルトン(メルセデス)はピエール・ガスリー(アルピーヌ)を抜いて8番手に上がった。
3周目
スタートのリプレイ映像ではフェルスタッペンはややホイールスピンが多かったのに対して、ノリスはホイールスピンが少なかった。
4周目
フェルスタッペンはDRSを使用できるようになり、ノリスに近づく。
5周目
フェルスタッペンがノリスをオーバーテイク!
7周目
セルジオ・ペレス(レッドブル)がニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をオーバーテイクして13位へ浮上。その際にペレスの右リアタイヤと接触したヒュルケンベルグの左フロントウィングのエンドプレートが飛んでしまった。
8周目
マクラーレンはノリスとピアストリに現在のポジションを守るように指示された。すでにフェルスタッペンは1秒以上前を走っており、マクラーレンは母国GPで確実に2つの表彰台を獲得したい。
ヒュルケンベルグはピットインして最後尾に落ちてしまった。
10周目
エステバン・オコン(アルピーヌ)がピットインしてリタイアを選択。トラブルのようだ。
11周目
フェルスタッペンはチームから、昨日のQ2と同様に数分以内に「小雨が降る」という天気予報を言われている。
12周目
現在11位のペレスは3つポジションを上げた。
14周目
フェルスタッペンは風が強くてドライビングが難しいと無線で伝えているが、現在ノリスに3秒差をつけている。
16周目
10番手のアレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)は左フロントタイヤがあまり良くないと伝えている。
17周目
アルピーヌF1は、オコンのマシンは油圧漏れだったと発表した。
ペレスがアルボンをパスして10位に浮上した。
19周目
シャルル・ルクレール(フェラーリ)がピットインしてハードタイヤに交換し、12位でコースに復帰した。
21周目
フェルスタッペンは、1:32.295でファステストラップを記録。ノリスに約4.5秒の差をつけている。
23周目
フェルスタッペンは、1:32.184でファステストラップを塗り替えた。
25周目
ノリスはリアタイヤに苦しんでいるようだ。
26周目
ルクレールがランス・ストロール(アストンマーティン)をパスして11位へ浮上。
27周目
カルロス・サインツ(フェラーリ)がハードタイヤに交換し、ストロールの後ろ12位でコースに復帰した。
29周目
ジョージ・ラッセル(メルセデス)がソフトタイヤからミディアムタイヤへ交換。中古のソフトタイヤで十分なパフォーマンスだ。9位でコースに復帰した。
30周目
ピアストリがミディアムタイヤからハードタイヤに交換。6位でコースに復帰した。
31周目
母国GPのラッセルがルクレールをオーバーテイクして8位へ浮上!観客も大盛り上がりだ。
32周目
ガスリー、ストロールがソフトタイヤに交換。
33周目
ケビン・マグヌッセン(ハース)がコース上でストップ!リアから炎が見えている。バーチャルセーフティカー(VSC)が出された。
これで順位が変動しそうだ。
ここでルクレール、角田裕毅(アルファタウリ)、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)ら続々とピットイン。
ここでセーフティカー(SC)に切り替わった。
フェルスタッペンがソフトへ、ノリスはハードへ、ハミルトンはソフトへタイヤ交換。
35周目
トップ10はソフト、ミディアム、ハードとタイヤ選択が分かれた。
39周目
セーフティカーが戻ってリスタート!
フェルスタッペンが逃げ、少し反応が遅れたハードタイヤのノリスに、ソフトタイヤのハミルトンがピッタリとくっつく。
タイヤが有利なハミルトンが仕掛けるがノリスも守り切る!イギリス人同士の熾烈なバトルに観客も大歓声だ。
40周目
ノリスとハミルトンのバトルは続くが、ノリスも7度の世界チャンピオン相手に一歩も引かない。
4位ピアストリにラッセルが迫るが、マクラーレンはハードなのに「素晴らしい速さだ」とつぶやく。
42周目
残り10周、イギリス人同士の2位争いはまだ続く。
43周目
フェルスタッペンはタイヤに満足していないが、それでもノリスとは3秒ものマージンを築いている。
44周目
ペレスがサインツを抜くと、すぐ後ろのアルボンもサインツをオーバーテイク!サインツは厳しそうだ。
46周目
ピエール・ガスリー(アルピーヌ)がスローダウン。ふらついているマシンをコントロールしていることからリアセクションにトラブルが出たようだ。
47周目
ガスリーのリプレイ映像。ランス・ストロール(アストンマーティン)と接触して右リアアームが折れてしまった。
48周目
ガスリーはなんとかピットインしたがそのままリタイアしてしまった。
49周目
残り4周、フェルスタッペン、ノリス、ハミルトンがトップ3だ。
50周目
ガスリーと接触してリタイアに追い込んだランス・ストロール(アストンマーティン)に対して5秒ペナルティが出された。
51周目
残り2周、8位アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)が7位アロンソを狙っている。
52周目
ファイナルラップ。
3位走行中のハミルトンは、左リアに苦しんでいるようだ。しかし4位のピアストリに対して十分なマージンを持っており、表彰台は守れそうだ。
フィニッシュ
マックス・フェルスタッペンにとってレッドブルでの150回目のグランプリで、イギリスGP初優勝を果たした。レッドブルにとっては2012年以来となるシルバーストーンでの勝利となった。フェルスタッペンは6連勝で今季8勝目、チームは今季10連勝、昨年から11連勝を飾った。さらにファステストラップのおまけつきだ。
ノリスとマクラーレンにとってはホームレースで表彰台という素晴らしい結果を残した。
3位のハミルトンは、スタート直後にコースアウトして一時は9番手まで落ちていたが、母国GPで表彰台を獲得した。
また、ハミルトン自身がF1キャリアをスタートしたマクラーレンの復活を喜び、マクラーレンは“ロケット”ような速さだと語った。
4位には新人オスカー・ピアストリがマクラーレンの母国GPを飾り、5位には母国GPを戦うジョージ・ラッセル(メルセデス)が入った。
15番グリッドスタートのペレスは6位まで追い上げたが、チャンピオン争いではまたも大きく離されてしまった。
17台がチェッカーフラッグを受けたレースで、角田裕毅(アルファタウリ)は16位、ニック・デ・フリース(アルファタウリ)は17位で、アルファタウリは実質の最後尾フィニッシュだった。