「悪天候では何も見えない」7月末開催のF1ベルギーGPに1994年と同じオー・ルージュ・シケイン導入を提案するF1関係者たち
2人の著名なF1関係者が、7月1日（土）にシングルシーターのジュニアドライバー、ディラーノ・ファント・ホフ（18）が死亡事故を起こしたことを受け、スパ・フランコルシャンには1994年スタイルのシケインを設置することを提案している。
F1は7月末にこの伝説のサーキットでベルギーGPを開催するが、緊急の安全上の変更を求める声もある。
「悪天候の中では、あの丘を越えてくるものは何も見えない。このようなことが二度起きているので、僕たちは間違いなく一歩を踏み出す必要がある」と7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンは語った。
■セナの死をきっかけに導入したシケインを提案
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、1994年のアイルトン・セナの死をきっかけにスパが導入したのと同じ解決策が有効だと考えている。
当時、ドライバーは危険なオー・ルージュを猛スピードで駆け抜けるのではなく、低速シケインに向かってブレーキをかけていた。
シューマッハは『Auto Bild（アウト・ビルト）』誌にこう語った。
「今は、ほぼ300 km/hのスピードでやみくもに山を登っていく。誰かがドライビングラインに止まっていたら、もはや反応できないんだ」。
元ウィリアムズとトヨタのドライバーだったシューマッハは、1994年スタイルのシケインが2023年に再び機能する可能性があると考えている。
「再びオー・ルージュの手前に設置するだろうね」
「これによってスピードが劇的に低下するから、ハイスピードで走行中に正面からクラッシュするリスクも減るよ」。
■昨年シルバーストーンで横転したジョウ・グァンユも支持
シケイン解決策のもう一人の支持者は、ジョウ・グァンユ（アルファロメオ）だ。
彼は1年前のシルバーストーンでの逆さまになった恐ろしいクラッシュのリプレイ映像を今でも見る気になれないことを認めている。
「医療センターで一度見たことがあるんだ。なぜひっくり返ったのか知りたかったからね。今はそのリプレイを見ると画面を消しているよ。思い出すのが怖いからね。それについては考えないようにしているよ」
「僕としては、レイアウトを変更する必要がある」
「2019年にあそこで友人のアントワーヌ（ユベール）を亡くしたから、ちょっと心が痛いんだ。確かに象徴的なコーナーであることは確かだけど、安全のためにも、過去にあまりにも多くの命を失われてきたので、今がその時だと思う」
「1994年だったと思うけど、ちょっと遅くなるシケインがあった時のビデオを見たんだ。それが正しい方向だと思うよ」。
