今週末のF1カナダGP(18日決勝)の舞台は、かつてフェラーリで活躍したカナダの伝説的F1ドライバーの名が冠されたモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットだ。
そのジル・ビルヌーブの息子であり、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、亡き父ジルが1977年から1982年にかけて所属していたフェラーリが現在不振に陥っていることについて地元紙『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』から質問を受けると、それは「今に始まったことではないよ」と答え、次のように続けた。
「今年だけのことではないんだ」
「彼らのように方向転換を繰り返すと、仕事のベースとなるものを持つことは決してできないんだ。そして、誰もが責任を転嫁している。それは決して誰のせいでもないよ」
「意思決定がなされていないし、その不安定さがフェラーリの大きな損失を与えているんだ。この10年間にわたって、彼らは自分たちのルーツに戻り、イタリアンチームとなることを選択した。だが、それがうまくいっているようには見えないよ。特にF1ではね」
2014年10月にルカ・ディ・モンテゼーモロに代わってフェラーリ会長に就任した故セルジオ・マルキオンネが、外国人スタッフの雇用を極力抑えてイタリア人中心のチームづくりを目指したことに言及しながらそう語った52歳のビルヌーブは、次のように付け加えている。
「その過程で、チームは優秀な人材を失ってしまったし、これを立て直すには多くの時間が必要だよ」