【レッドブル】チーム史上最高のF1ドライバーはベッテルではなくフェルスタッペンだとヘルムート・マルコ
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ（モータースポーツアドバイザー）は、オランダ出身ドライバーのマックス・フェルスタッペンは、かつてレッドブル史上最高のドライバーであったセバスチャン・ベッテルよりさらに優れていると考えている。
フェルスタッペンはこれまでに2021年と2022年のドライバーズタイトルを獲得しており、今年も3年連続で王座につくのはほぼ間違いないと考えられている。
だが、ドイツ出身ドライバーであるベッテルは、レッドブル在籍時の2010年から2013年にかけて4年連続でチャンピオンとなった実績を持っている。
また、これまで多くのF1最年少記録を塗り替えてきているフェルスタッペンだが、ベッテルが持つ23歳と134日での最年少F1チャンピオン記録に関してはこれを更新することはできなかった。
■フェルスタッペンの方がベッテルより上だとマルコ
それにもかかわらず、80歳のマルコは、フェルスタッペンの方がベッテルよりも優れているとドイツのテレビ局『Sport1（シュポルト1）』に次のように語った。
「我々は、セバスチャンがベストの中のベストだと考えていた。だが、その後マックスが登場したんだ」
「ベッテルは非常に几帳面で、非常に優れた基本的スピードを持っていた。だが、この点においてさえ、マックスの方が一歩先を行っているよ」
マルコによれば、現在25歳のフェルスタッペンの最も驚くべき点は、スピードに乗るまでに全く時間を必要としないことだという。
「彼はすぐにアクセル全開で走ることができるんだ。それは、驚くべき天性の才能と、それがもたらす信じがたい基本的スピードだよ」
「彼は、特に限界域での車両コントロールが素晴らしいんだ」
■どちらも驚異的成功を収めたドライバーだとホーナー
しかし、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、昨シーズン限りで引退した35歳のベッテルとフェルスタッペンをそう単純に比較することはできないと示唆している。
「彼ら2人は非常に異なる、驚異的な成功を収めたドライバーなんだ」
ホーナーはそう語ると、次のように続けた。
「セバスチャンは、彼がキャリアを通じて達成したことを見れば、このスポーツで本当に偉大で最も成功したドライバーの1人だと私は思っている」
「彼はものすごく懸命に働いていたよ。セバスチャンのプレッシャーへの対応力は素晴らしいものだった。彼は多くの才能を持っているが、同時に、ベストになるためには懸命に取り組む必要があることを理解していたんだ」
「彼はマシンの細部に至るまで理解したがったし、対戦相手とその弱点を分析していたよ」
■フェルスタッペンはまだ過小評価されているとホーナー
一方、ホーナーは、フェルスタッペンのこれまでの功績が現在過小評価されている場合もあると考えている。それはおそらく、フェルスタッペンのF1キャリアがまだ現在進行形だからかもしれないし、あるいは彼の性格によるものかもしれない。
「私は、彼が達成したことが、本来評価されるべき形で認められていないことも時々あると思っているよ」
そう語ったホーナーは、次のように付け加えた。
「それは、能力のピークにあるドライバーによる、絶対的に素晴らしいパフォーマンスなんだ」
■フェルスタッペンはさらに成長できると元エンジニア
2022年シーズン序盤までレッドブルのレースエンジニアリング責任者を務め、現在はジュニアドライバープログラムに携わっているギヨーム・ロクランは、母国フランスのスポーツ専門放送局である『Eurosport（ユーロスポール）』に、彼らがレッドブルにやってきたときには、ベッテルの方がフェルスタッペンよりも完成されたドライバーだったと思うと語っている。
しかし、ロクランは、フェルスタッペンはまだうまくなりつつあると次のように続けている。
「ほかのトップドライバーたちと比べれば、彼はまだ技術的に向上できるよ。まだ改善の余地がたくさんあるんだ」
「技術的なノウハウを身につけるに従って、彼はさらに強くなっていくと思うよ」
■2021年の初タイトル獲得で自信を得たフェルスタッペン
ロクランによれば、フェルスタッペンには、初のF1ドライバーズタイトルを獲得した2021年と2022年の間に、これまでで最も大きな変化が起きていたという。
「成功に対する少しやけくそ気味な渇望が消えていたんだ」
「マックスは大きく成熟したし、今では、より一貫した最高レベルのドライビングをしているよ」
「2021年に最初のタイトルを獲得したことで、彼はさらに大きな自信を得たんだ。彼は1年前とは違うドライビングをしている。それは明らかだよ」
■フェルスタッペンは末恐ろしいドライバー
ホーナーは、現在25歳のフェルスタッペンがこれからF1で達成していくであろうことを考えると恐ろしくなるほどだと次のように語っている。
「マックスは非常に短期間のうちに多くのことを成し遂げた。まだ25歳に過ぎないし、彼のこれからのことを考えると、かなり恐ろしいほどだよ」。
