2022年まで2シーズンにわたってチームCEOとしてウィリアムズを率いてきたヨースト・カピートが、この仕事は「非常に疲れる」ものだったと認めた。
■最初から2年か3年のつもりだった
かつてWEC(世界ラリー選手権)でフォルクスワーゲンのリーダーとして大成功を収めたことで知られるカピートだが、噂ではウィリアムズF1チーム内部において周囲との関係が悪化していたようだと言われている。
母国ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』から、そうした噂について質問された64歳のカピートは次のように答えた。
「もちろん、外部からはそういう洞察はできないものさ」
「私はもともと、2年もしくは3年やるつもりだと言っていたんだ。その間、たくさんのレースがあるし、それは比較的疲れることなんだ。それに、チームを本来あるべき姿に戻すには、2年や3年よりも長い時間が必要だよ」
■後任に引き継ぐ「基盤」は整えられた
カピートは、自分がやったことは、新しく長期的なリーダーとなる者に引き継ぐための「基盤づくり」の手伝いだったのだと語り、次のように続けた。
「私は役員会で言ったんだ。今はその基盤ができたし、長期的にそこにいてくれる人を選ぶべきだとね」
「それで、どうするのが正しいことなのかを話し合った結果、今が引き継ぐのに良い時期であることがすぐに明らかになったよ」
■後任のジェームズ・ヴォウルスは「有能」で「いい人物」
ウィリアムズがそのカピートの後任に選んだのは、メルセデスで長く戦略責任者を務めてきていたイギリス出身のジェームズ・ヴォウルスだった。
カピートは、後任のヴォウルスは「信じられないほど有能」だと語り、次のように付け加えている。
「私は彼のことがとても好きだし、人間としてもとてもいい人物だ。もちろん、私は彼におめでとうと言ったよ」
■ウィリアムズとメルセデスとの関係に変化はないはず
一方、F1関係者の中には、メルセデスからヴォウルスが加入したことで、今後ウィリアムズがメルセデスの“Bチーム”になっていくのではないかと懸念している者もいる。
このことについて意見を求められたカピートは、次のように答えた。
「私はそうは思わないよ。むしろ、純粋に人が入れ替わっただけだと私はとらえているよ」
「だが、いずれにせよ、我々はすでにエンジンやトランスミッションといったテーマに関して緊密に協力している。だから、私は全てがこのままの状態に留まると思っているよ」
カピートは最後に、将来的にはレーシングチームの「コンサルタント」になることには興味を抱くかもしれないが、「日々のビジネス」としてF1に関わることは考えていないと締めくくっている。