メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフが、ルイス・ハミルトンはあと5年メルセデスのシートを維持することを望んでいるし、その能力もあると語った。
■F1引退が近いとのうわさもあるハミルトン
2021年のF1最終戦アブダビGPで、ほぼ手中に収めたと考えていた通算回目のF1ドライバーズタイトルを逃してしまったハミルトンは、その後しばらく表舞台から姿を消し、そのままF1から引退するのではないかとのうわさもささやかれていた。
さらに、今年はメルセデスの2022年型F1マシンに競争力がなく、全22戦中17戦を終えた段階でまだ1勝もできていない。
こうした状況から、メルセデスとは2023年までの契約があるとは言え、現在37歳のハミルトンが近いうちにF1引退を決意するのではないかとのうわさもささやかれている。
■ハミルトンはまだF1を続けられるとメルセデスのボス
だが、ヴォルフによれば、ハミルトンとの間では2024年以降の契約に関する交渉がすでに始まっているようだ。
「先週、我々は話し合いを行ったんだ。そして、彼は『いいかい、僕はあと5年はできるよ。それについてどう思う?』と言ってきたよ。我々はお互いに率直なんだ」
ヴォルフはそのとき、ハミルトンに対して、彼はフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のように40歳を超えてもレースを続けることができると思っていると答えたという。
「今のフェルナンドが25歳のときと同じかどうかはわからないが、彼はまだ非常に競争力がある」
そう語ったヴォルフは、イギリスの『Channel 4(チャンネル4)』に次のように付け加えた。
「だからルイスは、F1レースに対して完全にものすごく焦点を絞り込んでいる彼の生き方を考えれば、まだずっとやれると私は思うよ」
■そのときが来たらハミルトンから引退を申し出るはず
ハミルトンの言う5年が2023年からだと考えても、少なくとも2027年まではF1を続けるつもりでいるようだ。そして、そのときハミルトンは42歳となっているはずだ。
ヴォルフは、もしもハミルトンがこの仕事に耐えられなくなったときには、ハミルトン自身がそれを認識して決断することができるはずだと考えている。
「ルイスの方からこう言い出すだろうね。『反応できなくなった気がするから、もうこれ以上できない』とか、あるいは『もう楽しめなくなってしまったし、ほかの世代が育ってきていてとても強いんだ』というふうにね」
そう語ったオーストリア出身のヴォルフは、次のように付け加えた。
「だから、我々が契約延長に合意するとしても---そうなるだろうけれどね---我々がお互いに常に話し合っていくことは間違いないよ。非常に率直に、将来どうなるかについてね」。