セバスチャン・ベッテルが、2023年シーズンに向けて、アストンマーティンとの新たな契約に関する本格的な交渉がこれから始まると認めた。
イギリスのシルバーストンに本拠を構えるアストンマーティンは、ベッテルを2023年もキープしたいと考えていることを明言している。
だが、レッドブル時代に4回F1チャンピオンとなった実績を持つ35歳のベッテルは、まだ態度を保留中といったところだ。
■マクラーレンへの移籍説は「単なるうわさ」
うわさでは、環境保護問題に目覚めたベッテルが今季限りでF1を引退するのではないかとか、現在のアストンマーティンのパフォーマンスに不満を持っており、来季はほかのチームへの移籍を視野に入れているのではないかなどと言われている。
そして、最近ではマクラーレンへの移籍もありそうだという、驚きのうわさも出てきている。
そのうわさについて質問されたベッテルは、今季のF1第12戦フランスGP(24日決勝)の舞台となるポール・リカール・サーキットで「ランド(ノリス)には契約があると思うよ」といたずらっぽく答えると、次のように付け加えた。
「いや、あそこにいる何人かは知っているけれど、それはただのうわさだと思うよ」
実際のところ、マクラーレンではランド・ノリスと2025年まで、ダニエル・リカルドとは2023年までの契約を結んでいる。不調のリカルドに関してはシート喪失のうわさもあるものの、現在結ばれている契約では、チーム側が解除することはできない内容になっていると伝えられている。
■ベッテルにとってもアストンマーティンが“プランA”
アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックは最近、ベッテルがチームの“プランA”であり、今のところほかのドライバーとは話をしていないと語っていた。
ベッテルはそうした報道を受け、母国ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語っている。
「僕がアストンマーティンにとってのプランAであるだけでなく、僕にとっても彼らがプランAなんだ」
「僕たちは、これから話を始めるつもりだよ」
■フランスGPでのアストンマーティンF1マシンのパフォーマンスもカギに?
アストンマーティンがベッテルの残留を確実なものにするためには、現在のマシンを改良し、パフォーマンスを上げていくことが必要だと考えられている。しかし、第10戦イギリスGPに持ち込んだ改良パッケージは期待されたパフォーマンスを見せることはできていない。
ベッテルは、今週末のフランスGPでもその新パッケージの熟成度合いを確かめることになると次のように語っている。
「僕たちはシルバーストンにアップデートを持ち込んだけれど、まだ完全に性能を引き出すことはできなかった」
「今週末はもう少し答えを得るのに役立つかもしれないね」
■このまま続けたいと思っているのは確かだとベッテル
今後のF1キャリアがどういうふうに展開することになるのかと質問されたベッテルは、次のように答えている。
「そうだねぇ、今週末はレースをするし、次の週末もね」
「もちろん、僕はある時点で話を始めると言ったし、僕はチームと話をしているよ」
「このまま続けていきたいという明確な意図はあると思っている」
そう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「僕たちの立場はもうすぐわかると思うよ」。