メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフが、今後F1チームが現行の2台体制ではなく、3台体制で戦えるようにした方がよいという提案を再び行った。
現在F1の下位カテゴリーであるF2やF3などには将来有望な若手ドライバーが大勢ひしめきあっている。しかし、現時点ではF1には10チームに2台ずつ、つまり合計20台のマシンしかなく、そうした若手が現在のドライバーたちを押しのけてシートを獲得するのは非常に難しい状況となっている。
例えば、メルセデスのフォーミュラEワークスチームで今年チャンピオンとなったオランダ出身のニック・デ・フリースなどもそうしたドライバーの1人だ。また、フェラーリの若手育成プログラムであるアカデミーも優秀な若手ドライバーをたくさん抱えている。
F1関係者たちが恐れているのは、せっかくの若い才能がF1をあきらめて、フォーミュラEやインディカー、WEC(世界耐久選手権)などのキャリアを目指すことになるかもしれないということだ。
こうした中、ヴォルフはそのための対策のひとつが、すべてのF1チームが3台体制をとることだと考えている。
以前も1チームに3台目のエントリーを認めるべきだと主張したことがあるヴォルフは、このほどドイツのテレビ局『RTL』とフランスのテレビ局『Eurosport(ユーロスポーツ)』に次のように語った。
「3台目のマシンを使い、そこにルーキーを乗せるべきだ」
「突然、30台がスターティンググリッドに並ぶことになるだろう」
しかし、ウィリアムズのチームCEOであるヨースト・カピートはあまりその提案には乗り気ではないようだ。
「今30台に増やすことなどできないよ。うまくいかないだろう」
「2台から3台にするのは簡単なようでいて、非常に難しいことなんだ。50パーセントの増加だからね」
そう語ったカピートは次のように付け加えた。
「1年に22か23レースを行う中でどうすればそれが実現できるのか、私にはわからないよ」