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固唾を呑んで裁判の成り行きを見守るF1オランダGP主催者

2021年08月28日(土)11:29 am

2021年のF1カレンダーに第13戦として組み込まれているオランダGP(9月5日決勝)だが、今後裁判所が出す判決次第ではその開催に大きな影響が生じる可能性が残されているようだ。

36年ぶりに復活するオランダGPだが、その舞台となるザントフォールト・サーキットはすでにオランダ政府から最大収容人数の69パーセントを限度として観客を迎える許可も受けている。

しかし、現在オランダの環境保護団体がザントフォールトでのF1開催に関して出した訴えの審議が現在北ホラント州の首都であるハールレムで行われており、その判決が出るのはオランダGP開幕日の直前になるという。

伝えられるところによれば、この訴訟を起こした環境保護団体は、オランダGPが窒素排出に関する許可制限に違反していると主張しているようだ。

だが、環境保護団体の弁護士を務めるヴァレンタイン・ウーステンは、レース開催がやむを得ないのであれば、無観客で行うべきだとの提案を行っており、東京オリンピックに言及しながら次のように語った。

「オリンピックでは可能だったので、暫定的解決策としては妥当だと考えている」

法廷での審問は来週の月曜日(30日)か火曜日(31日)に行われる予定となっており、その判決が申し渡されるのはまさにオランダGP開幕直前ということになりそうだ。

オランダの『De Limburger(リムブルガー)』紙は、この訴訟を担当する裁判官が次のようにコメントしたと報じている。

「利益のバランスをとるのは難しいことなのだ。私はそのために時間を使いたいと思っている」

一方、ザントフォールト・サーキットの弁護を担当するアナ・コリニョンは、無観客レースという提案は財政的に壊滅的な影響を与えるため「受け入れられない」と主張している。

また、オランダGPのもう1人の弁護士であるハンス・ベッセリンクは、「1948年からあるサーキットでF1がレースをするのを妨げるのはおかしなことだ」と語り、次のように主張している。

「F1は新しい活動ではない。どう考えても、サーキットがあって、そこでレースをすることができたのであれば、まだそこでレースをすることは可能だよ」

今年のF1開催に向けてチケットが完売していたオランダGPだが、政府の決定を受けて抽選を行い、約3分の1にあたるチケット保有者に観戦できなくなったことを連絡したばかりだ。

さらに、開幕直前となって無観客で開催するよう求める判決が出れば、ザントフォールト関係者ばかりでなく、オランダのF1ファンにとっても大混乱が生じるのは必至だ。

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