レッドブルでは今後もタイトル争いのライバルであるメルセデスに対してプレッシャーをかけ続けていくことを目指しており、その一環として過度にたわむ仕様となっているメルセデスのフロントウイングに関して正式に抗議を行うことも検討しているようだ。
●【F1第7戦フランスGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
メルセデスは今季序盤にレッドブルのリアウイングが大きくたわむことに注目し、それに対して正式に異議申し立てを行う可能性を示唆していた。実際のところ、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)もこの問題に注目し、先週末に行われたF1フランスGPからリアウイングの柔軟性に関する新たな、より厳しい検査基準が導入されている。
そうしたこともあり、フランスGPの舞台となったポール・リカール・サーキットではレッドブル・ホンダがやや苦戦を強いられるのではないかとの見方もあったが、実際にはマックス・フェルスタッペンが今季3勝目をあげ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とのポイント差をさらに広げることに成功している。
レース後、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーはフランスGP決勝後にポール・リカール・サーキットで次のように語った。
「我々は自分たちのパフォーマンスがフレキシブルウイングやタイヤ空気圧に依存していないことを示してみせたよ」
そうした中、以前からメルセデスのフロントウイングも大きくたわんでいると指摘していたレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、今後はメルセデスに対して自分たちが正式に異議申し立てを行う可能性があると次のように語った。
「抗議するかって? おそらく、そうなるだろうね」
「彼らのフロントウイングのたわみが小さくなるのは悪いことではないからね。FIAがそれに取り組んでいるところだ」
「すでに十分な映像証拠がある。リアウイングの場合と同じことが行われるだろうと予想しているよ。FIAがそれについてどう言うのか、我々としてはそれを待っているところさ」
現在、ドライバーズ選手権ではフェルスタッペンがハミルトンに12ポイント差をつけ、コンストラクターズ選手権では37ポイント差でメルセデスをリードしているレッドブル・ホンダだが、マルコは今後もメルセデスに対してプレッシャーをかけ続けていくつもりだと『f1-insider.com』に次のように続けた。
「我々がメルセデスにプレッシャーをかけたとき、彼らはミスを犯すんだ」
「そして、我々はこれからもプレッシャーを強めていくだけだ」
一方、レッドブル・ホンダに差を広げられてしまったメルセデスのトト・ヴォルフ(チーム代表)は、フランスGP決勝では戦略ミスを犯してしまったことを認めたものの、大きな原因はホンダF1エンジンの躍進だと次のように語っている。
「我々のエンジンのアドバンテージはすでに無くなったよ」
しかし、かつてメルセデスでハミルトンのチームメートを務めていた2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは、ポール・リカール・サーキットでレース終盤にフェルスタッペンに追い付かれたときのハミルトンの走行は「甘かった」と指摘し、ハミルトンのドライビングにも問題があったと示唆している。
ともあれ、フェルスタッペンの父親であり自身も元F1ドライバーであるヨス・フェルスタッペンはフランスGPの結果に大満足しているようだ。
「ここに来る前は、勝てるとはあまり思えなかったんだ。ここはこれまでずっとメルセデスが得意としてきたサーキットだからね」
母国オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』にそう語ったヨス・フェルスタッペンは次のように付け加えている。
「これで、どんなサーキットでも勝てるという自信がついたよ」