今年1月にF1最高責任者(CEO)に就任したステファノ・ドメニカリが、将来的に全てのF1グランプリにおいてスプリントレース方式予選を実施することはないと断言した。
今年は第10戦イギリスGP(7月18日決勝)、第14戦イタリアGP(9月12日決勝)、そして第20戦ブラジルGP(11月7日決勝)の3レースにおいてスプリントレース方式予選を試験的に実施することがほぼ確定的な状況となったと伝えられている。
だが、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、それにはリスクもあるとイタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』に次のように語っている。
「我々はデータによって動かされる世界にいる。我々はこの世界のあらゆる側面をシミュレートしているが、これから我々はこれまでに試したこともなく、しかも適切にシミュレートされていないやり方ですぐに戦おうとしている」
「何も妨害などするつもりはないよ。実験を行う価値はあるからね」
「しかし、F1に対する我々の責任を考えれば、そのやり方には十分注意しなければならないよ」
ヴォルフは、予選という形ではあるものの土曜日にもレースを行うことにより、日曜日に行われる伝統的なメインイベント(決勝レース)の面白さが損なわれる可能性があるのが大きなリスクのひとつだとしている。
しかし、ドメニカリによれば、今年スプリントレース方式予選を試験的に実施する予定となっている3レースの現地プロモーターたちからはチケットの問い合わせが例年よりも多くなっているという報告が来ているという。
こうした中、かつてフェラーリのチーム代表を務めていたことでも知られるドメニカリは、たとえ今年の試験導入がうまくいったとしても、将来的に全てのF1グランプリでスプリントレース方式予選を採用するつもりはないと主張している。
「将来的に、全てのグランプリでこれをやりたいとは思っていないよ。これは選ばれたイベントで行われるグランドスラムであるべきなんだ」
ドメニカリはそう語ると次のように付け加えた。
「その数は次のステップで検討しなければならない。だが、それほど多くはないだろう。 まずは、うまくいくかどうかを確認することにしよう」