レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、2021年F1シーズンに向けてレッドブルがタイトル獲得最有力候補だという意見を真に受けてはいないようだ。
先週末にバーレーンで行われたF1公式プレシーズンテストではメルセデスが王者らしからぬパフォーマンスしか発揮することができなかった一方、2020年のF1最終戦アブダビGPでポール・トゥ・ウィンを飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がその勢いをそのまま保ったかのような速さを見せた。
こうしたことから、2021年のチャンピオン候補筆頭はレッドブル・ホンダだろうと報じているメディアも少なくない。
23歳のフェルスタッペンはバーレーンテスト後に、まだ改善の余地はあるものの幸先のよいスタートを切ることができたのは確かだと次のように語った。
「リアの安定度はまだ決して十分とは言えないんだ」
「だけど、いいスタートを切ることはできた。ここまでのところ何も問題はないよ」
そして、マルコも次のように続けている。
「我々のクルマには一貫性がある。スペックシートにはどのサーキットでも速いクルマにしたいと書かれていたよ」
マルコも現時点では最大のライバルであるメルセデスが必ずしもいい状態にあるとは考えていないようだ。
メルセデスの2021年型マシンは「非常に神経質に見える」と指摘したマルコは次のように続けた。
「彼らが特定の問題を抱えていることは分かった。だが、過去7年にわたってF1タイトルを勝ち取ったチームなら短期間のうちに修正することができるだろう」
「しかし、メルセデスが最有力候補だとしても、我々もかなり接近できたと考えているよ」
メルセデスはバーレーンテストで意図的に手の内を見せないようにしていたわけではないとしているものの、マルコはルイス・ハミルトンが駆ったマシンにはレッドブルよりも「かなり多くの燃料」が搭載されていたのだと考えている。
「燃料搭載量に関してほかのチームと同じようにしなかったという事実は、彼らにはかなりの自信があるのだということを示しているよ」
そう語ったマルコはメルセデスを十分に警戒する必要があると次のように付け加えた。
「彼らはまだかなりのことを隠していると我々は考えている」
一方、マルコはメルセデスとレッドブル以外のチーム同士の戦いはかなり熾烈になるだろうと次のように述べている。
「私はマクラーレンが一歩抜きん出るだろうと思っているが、メルセデスと我々のレベルほどではないだろう」
「中団グループは間違いなく接戦になるだろう」