フォーミュラE会長のアレハンドロ・アガグが、自分たちの次世代マシンはF1マシンよりも大きな加速力を手に入れるはずだと語った。
フォーミュラE は2014年から開催されているフル電動フォーミュラカーによる世界選手権だが、F1関係者やファンの多くはF1こそが世界最高峰モータースポーツであり、いかに技術が進歩しようと電動フォーミュラカーにF1が負けるはずはないと考えている。
だが、アガグによれば、次世代フォーミュラEマシンはその“転換点”となるだろうという。
アガグは母国スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「テクノロジーは飛躍的に進歩しており、市街地サーキットではもう限界に近いパフォーマンスを実現している」
アガグは、F1マシンとの比較においても遜色のないマシンを造るのが目標だとし、次世代フォーミュラEマシンについて次のように続けた。
「まだテストはしていないが、F1よりも加速が優れたものになると考えている。電気自動車はその可能性を与えてくれるものだ」
「(F1マシンとフォーミュラEマシンを)横に並べて、その加速を比べてみたら面白いだろうね」
メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チーム代表)もフォーミュラEマシンの進歩には注目しているようだ。ヴォルフは最近F1とフォーミュラEのマシンが同じ週末に同じサーキットで走ることも想像できると語っていた。
「それはできるかもしれない」
そう語ったアガグは次のように付け加えた。
「私が本当に望んでいるのはF1の予算をフォーミュラEに使うことなんだ。私に5000万(ドル=約53億円)くれれば、完全にF1に対抗できるだけのフォーミュラEマシンを造ってみせるよ」
F1では2025年に新たなエンジンレギュレーションを導入することになっているが、それは基本的にはこれまでと同じハイブリッド方式でe燃料と呼ばれる合成燃料を使用するものになると言われている。
だが、アガグは、最終的にはフル電動テクノロジーによるフォーミュラEが勝利する日がくるのは間違いないと考えている。
「F1とフォーミュラEは合併すべきだよ。なぜならば、最終的に優位に立つのは電動テクノロジーだからだ」
「10年もすれば内燃機関の車は骨董品になるだろう。合成燃料を作ろうとする試みはあるが、それは電動化できないことの言い訳に過ぎないよ」
そう述べた50歳のアガグは次のように付け加えた。
「合成燃料は通常の燃料の10倍のコストがかかるんだ。だから行き詰まるだけだよ」