ニコ・ヒュルケンベルグが2021年にまたF1チームからお呼びがかかれば、レギュラードライバーの代理としてF1レースに出走する可能性もあると示唆した。
2019年までルノーに所属していたドイツ人ドライバーのヒュルケンベルグは2020年のフルタイムシート獲得はならなかったものの、新型コロナウイルスに感染したセルジオ・ペレス(現レッドブル)とランス・ストロールの代役としてレーシングポイントから合計3レースに出場している。
本来レーシングポイントとリザーブドライバー契約を結んでいなかったヒュルケンベルグだが、突然の要請に応えての出走だったにもかかわらず素晴らしいパフォーマンスを披露して見せた。
そうした活躍もあり、一時は2021年にレッドブルのシートを獲得するチャンスもあるとうわさされていたヒュルケンベルグだったが、残念ながら今年もシート獲得はならなかった。
レーシングポイントは今年からアストンマーティンのワークスF1チームとなり、昨年までフェラーリに在籍していたセバスチャン・ベッテルが事実上のナンバー1ドライバーを務めることになっている。
母国ドイツの『GQ』誌から、2021年にベッテルのチームメートとして2年ぶりにF1復帰するのではないかとのうわさもあるが本当かと質問された33歳のヒュルケンベルグは次のように答えた。
「セバスチャンにはすでにチームメートがいるよ。だから、僕がすぐにマシンに乗ることはないというのが事実さ」
「とは言え、僕はF1の世界にとどまっていたいと思うし、2022年にはずっと座っていられるコックピットを見つけたいと思っている」
「今年どんなことが起きるのかは誰にも分からない。機会が訪れるのを待つだけだし、そのときはまたやるよ。2020年と同じようにね」
今年も代役としてレースに出るチャンスがあれば走ると示唆したヒュルケンベルグだが、2020年にレーシングポイントから代理出走したシルバーストンでの第5戦70周年記念GPでは慣れないマシンにもかかわらず予選で3番手タイムを刻むなど適応力の高さを見せていた。だが、実際のところF1チームから2021年に向けたオファーはなかったという。
「(オファーは)来なかった。それは本当さ。話し合いはしたけれど、うまくまとまらなかったんだ」
そう語ったヒュルケンベルグは次のように続けた。
「だから、自分自身にこう言ったんだ。どんなことをしても復帰しようとはせず、たとえ復帰のチャンスがゼロだとしても1年様子を見よう、とね」
「僕はF1で10年もやってきたし、ドライビングをし続けなければならないようなタイプの人間ではないんだ」
「とりわけ、ただそこにいるだけのために後方で走るのはごめんだよ」
「だから、僕は意図的にノーと言ったし、僕個人としてはこの休みは非常に歓迎だという考えに至ったのさ」とヒュルケンベルグは付け加えた。