2021年にフルタイムドライバーとしてF1復帰することを目指しているニコ・ヒュルケンベルグだが、現時点では何も具体的な動きはないようだ。
新型コロナウイルスのパンデミックにより大幅にカレンダーが修正されたF1だが、ヒュルケンベルグはここまでレーシングポイントから3レースに代理出走しており、非常に高いパフォーマンスを示してみせた。
先週末にニュルブルクリンクで開催されたF1第11戦アイフェルGPではレーシングポイントのランス・ストロールが体調不良に陥ったことから急遽ヒュルケンベルグが予選から出走。
予選では最下位に終わったものの、決勝ではしぶとい走りを見せて8位に入賞したヒュルケンベルグにはF1関係者やファンから「スーパー・サブ」という称号が与えられている。
だが、ヒュルケンベルグ本人は「スーパー・サブ」と言われることを必ずしも喜んではいないようだ。
2021年に控えドライバーとなることを目指しているわけではないと主張したヒュルケンベルグは母国ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「(控えドライバーは)必要とされるときもあれば、そうではないときもある」
「基本的に、僕が最優先しているのはレギュラーシートだよ」
ニュルブルクリンクのレースではファン投票により「ドライバー・オブ・ザ・デー」に選出されたヒュルケンベルグだが、それによってシート探しに進展があったわけではないとしている。
「残念ながら、シルバーストンの後と同じだよ」
セルジオ・ペレスの新型コロナ感染に伴ってレーシングポイントから出走した2レース(イギリスGP、70周年記念GP)に言及しながらそう語ったヒュルケンベルグは次のように続けた。
「僕はまだこの位置にいる。だけど、このプロセスはもうかなり以前から続けてきているんだ。ドライバーは過剰供給だよ」
「それに、チームにとって財政的な魅力を持つドライバーたちもいるからね」
だが、最近レッドブルのドライバープログラム責任者であるヘルムート・マルコが、ヒュルケンベルグや今季限りでレーシングポイントを離脱することが決まっているセルジオ・ペレスの獲得を検討する可能性も示唆している。
しかし、それは現在不振が続いているアレクサンダー・アルボンに発破をかけるための方便だと考えている者もいるようだ。
ヒュルケンベルグも、2021年のレギュラーシートを獲得するのは実際のところ「難しいだろうね。すごく難しいよ」とコメントしている。