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「ヒュルケンベルグと電話で話した」とレッドブル首脳

2020年10月12日(月)17:45 pm

レッドブルのドライバープログラム責任者として知られるヘルムート・マルコが、先週の金曜日(9日)にニコ・ヒュルケンベルグと電話で話をしていたことを認めた。

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昨年までルノーのドライバーを務めていたドイツ人ドライバーのヒュルケンベルグだが、今季のF1第11戦アイフェルGPが行われたニュルブルクリンクにテレビ関係の仕事で訪れていたところ、土曜日(10日)に突然レーシングポイントから体調不良に陥ったランス・ストロールの代役を務めて欲しいとの依頼を受け、ぶっつけ本番で予選と決勝に臨むことになっていた。

予選こそ最下位20番手に終わったヒュルケンベルグだったが、決勝では粘りの走りで見事に8位入賞という結果を残し、ファン投票による“ドライバー・オブ・ザ・デー”に選出されている。

シルバーストンで行われた今季の第4戦と第5戦でも新型コロナウイルス感染が認められたセルジオ・ペレスの代役としてレーシングポイントから出走していたヒュルケンベルグは、第4戦はマシントラブルで決勝を走行することができなかったものの、第5戦には予選3番手となり、決勝でも7位でフィニッシュする活躍を見せており、今や“スーパー・サブ”と呼ばれる存在となっている。

だが、そのヒュルケンベルグがニュルブルクリンクでのレースにレッドブル・ホンダから出走していた可能性もあったことが明らかとなった。

レッドブル首脳のマルコは、ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に対し、実は金曜日(9日)にヒュルケンベルグに電話を入れていたのだと次のように語った。

「ひとつには、2021年に『Servus TV(セアヴスTV)』(レッドブルが共同オーナーを務めているオーストリアのテレビ局)でF1放送を行うときにニコに解説者を務めてもらうことに関して話し合いをしているんだ」

「だが、それとは別に金曜日にも彼に連絡をとったんだ。それはアレクサンダー・アルボンのコロナ検査の結果がはっきりしていなかったことで代役が必要になりそうだったからだ」

しかし、最近のうわさによれば、なかなか期待に応える結果を残すことができていないアルボンに代えて、2021年にはレッドブルがヒュルケンベルグもしくは今季限りでレーシングポイントを離脱することが確定しているペレスを起用する可能性もあると考えられている。

すでにマルコがヒュルケンベルグとその可能性についての話し合いを行っているとしても不思議ではないだろう。

マルコもアルボンをほかのドライバーと交替させる可能性もあると示唆し、次のように語っている。

「アルボンはパフォーマンスを発揮しなくてはならない。そうすれば彼が留まることになる。彼はニュルブルクリンクではいいパフォーマンスを見せたし、様子を見ていくことになる」

「我々(レッドブル所属)のドライバー以外で獲得可能なのは間違いなくヒュルケンベルグとペレスだけだ」

「私は、基本的にはマックス・フェルスタッペンにコンマ3秒以内に接近できる者はほとんどいないと信じているよ。調子がいい日にはアルボンもそうできるだろうがね」

だが、マルコのコメントにもかかわらず、ニュルブルクリンクでのアルボンのパフォーマンスがよかったとは考えていない者もいる。

イギリス生まれのタイ国籍ドライバーであるアルボンは、ニュルブルクリンクでの予選こそ5番手だったものの、決勝ではスタートで順位を落としてしまった。さらに、タイヤ交換を行っていったん後方に下がったアルボンは、そこで同じホンダエンジンを搭載する姉妹チームのダニール・クビアト(アルファタウリ)に接触するアクシデントを起こしてしまった。

その接触でフロントウイングを失って上位入賞のチャンスが消えてしまったクビアトは、そのときのアルボンの動きは「プロ失格」だと批判。2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグもアルボンはまたも「まずいレース」をしたと指摘している。

だが、アイフェルGP決勝で3位表彰台に上ったダニエル・リカルド(ルノー)は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のチームメートとして戦うのは簡単なことではないことがよく分かっているようだ。

「マックスはすごく優秀なんだ。ピエール(ガスリー/アルファタウリ)にしろ、アレックス(アルボン)にしろ、若いドライバーにとって楽ではないのは確かだよ」

2016年から2018年にかけてレッドブルでフェルスタッペンと共に戦っていたリカルドはフランスの『L’Equipe(レキップ)』にそう語ると次のように付け加えた。

「マックスと戦うためにはかなり精神的しぶとさが求められるんだ」

ともあれ、レーシングポイントで今季3レースに代役出走して多くのF1関係者やファンをうならせたヒュルケンベルグだが、現時点ではそのことが2021年のシート獲得にはまだ結びついていない。

アイフェルGP決勝が行われた11日(日)に、来年アルボンの後任としてレッドブルのシートを得られるチャンスについて質問されたヒュルケンベルグは「すごく小さいよ」と答え、次のように続けている。

「レッドブルは常にそのジュニアチームのドライバーたちを優先してきている。F1では何が起きても不思議ではないものの、パフォーマンスだけが重要だとは限らないんだ。ほかの要素が大きな役割を果たすことも少なくないからね」

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