ケビン・マグヌッセン(ハース)が、6か月間で18レースを開催するという計画は無茶かつ乱暴だと語った。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、2020年のF1はすでに開幕戦から第8戦までが延期もしくはキャンセルとなっている。そして第9戦以降のレースについても開催が危ぶまれており、実際にいつシーズンがスタートできるのか皆目見当がつかない状態だ。
こうした中にあっても、F1最高責任者であるチェイス・キャリーは、全22戦で計画されていた2020年にはなんとか15戦から18戦の開催を実現したいとの意向を示している。
これに関して、デンマーク出身ドライバーであるマグヌッセンは、『Viasat(ビアサット)』に次のように語った。
「6か月で18レースを行うなんてばかげているよ」
「だけど、もしそうなったら、そうするしかないだろう。そうなれば僕たちが家族に会えるのはクリスマスになるだろうね。それが実現できるのかどうかは僕には分からない。だけど、本当に乱暴な話だよ」
うわさによれば、短期間で多くのレースをこなすためにレースフォーマットを手直しし、通常の3日ではなく土日の2日間にするという案や、場合によってはひとつのサーキットで2レースを行う案なども検討されているのではないかとされている。
そのことについてどう思うかと尋ねられたマグヌッセンは次のように答えている。
「試してみるのはいいかもしれないね。だけど、僕たちはすぐにレースができるようになって欲しいと思っているだけだよ」
だが、フィンランド出身の元F1ドライバーであり、近年はFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員を務めることも多いミカ・サロは、F1オーナーであるリバティ・メディアにはできるだけ多くのレースを開催しなければならない理由があるのも確かだと考えている。開催できるレースが減ってしまえばF1の収入も大幅に減ってしまい、それこそシリーズの存続さえ危ぶまれることになる可能性すらあるからだ。
「私は、彼ら(F1)には選択の余地はないのだと思っている」
「ドライバーたちはレースをする契約を結んでいるから、リバティはそれが適正だと考えれば残りのシーズンをどういう形でやることもできる。22戦は合意されているわけだから、彼ら(F1チームやドライバー)にはそれに近づけるよう努力する必要があるんだ」
フィンランドのテレビ局『C More(セイ・モレ)』にそう語った53歳のサロは次のように付け加えた。
「全員が適応していかなくてはならない。大変だろうが、現時点では誰もが長い休暇状態にあるわけだし、今休んでおくのはいい考えだよ」