2019年7月にルノーF1チームの非常勤取締役に就任した元F1ドライバーのアラン・プロストが、ダニエル・リカルドが2020年限りでチームを去る可能性があることを認識していると認めた。
トップチームのひとつであるレッドブルに所属していたリカルドだが、2018年シーズン途中に2019年からまだ中団グループに位置しているルノーへ移籍するという決断を下していた。
それには2つの大きな理由があったものと考えられている。ひとつは、レッドブルがマックス・フェルスタッペンを中心としたチームになってきたのが明らかだったこと、そしてもうひとつは2019年から搭載することになっていたホンダエンジンをリカルドが信じられなかったことだ。
しかし、2019年にはそのホンダエンジンが大きな進歩を見せる一方、ルノーは自分たちがエンジンを供給しているマクラーレンにも敗れ、コンストラクターズランキングは2018年の4位から5位へと下がってしまった。
こうした状況を受け、ルノーとの契約が2020年で切れるリカルドが2021年にはほかのトップチームへの移籍を考えているのではないかと考えられている。
そのリカルドとの2021年以降に向けた契約交渉が「間もなく」始まると語ったプロストは次のように続けた。
「真実を語らなくてはならない。我々は今年に向けて高い期待を抱いてはいない。だからダニエルにとっては気の毒なことだ。2年目もそれほど期待できないわけだからね。だが、よくはなっていくよ」
「我々が2021年に何ができるかということを彼もさらに認識していくことになるだろうし、ほかのチームから受けるであろうオファーに関しても現実的に考えることになるだろうね」
実際のところ、12日(水)に行われたルノーの2020年シーズンに向けたキックオフイベントに出席していたリカルドは、堂々とほかのチームから電話があれば話を聞くつもりだと答えている。
だが、ルノーF1チームを率いるマネジングディレクターのシリル・アビテブールはプロストとは少し違う考えを持っているようだ。
アビテブールは、リカルドとの契約を延長するためにも、まずは2020年にルノーが大きく改善する必要があると考えている。そうでなければリカルドをキープすることができなくなるばかりか、ほかの優秀なドライバーたちを獲得することも困難になるからだ。
「まず私が考えるのは、彼はもっとよいクルマを我々が彼に提供することができるかどうかを確認したいと思うだろうということだ。なぜなら、もし今年我々がそうできなかったら、来年もそうできるとは思えないだろう?」
そう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「我々は現在有しているようなラインアップを維持できるだけの優れたチームになる必要があるんだ」