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【WRC】トヨタのタナック、初の世界王者獲得!トヨタはドライバーは1994年以来となる通算5回目

2019年10月28日(月)0:46 am

10月27日(日)、2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦ラリー・スペインの最終日デイ3がスペイン北東部のサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合2位でフィニッシュ。ドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得した。

ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は総合5位で完走し、チームに貴重なマニュファクチャラーポイントをもたらした。デイ2でデイリタイアとなったクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車) は、再出走を果たし総合29位でラリーを終えた。

■ラリー・スペイン最終日デイ3

ラリー・スペインの競技最終日デイ3は、サービスパークが置かれるサロウの北側エリアで2本のターマック(舗装路)ステージを各2回走行。4本計74.14kmのSSで競われた。

デイ2で総合2位のライバルと3.5秒差の総合3位につけたタナックは、3本のステージを走行した時点で差を5.8秒に広げられた。しかし、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終SSの「パワーステージ」でベストタイムを記録。2番手タイムの選手に3.6秒差をつける圧巻の走りで総合2位に浮上すると共に、ボーナスの5ポイントを獲得し、最終戦ラリー・オーストラリアを待たずしてドライバーズタイトルを決定した。

タナックとヤルヴェオヤにとっては初めてのWRCタイトルとなり、彼らはエストニア人初のWRCチャンピオンとなった。WRCのドライバーズタイトルは2004年から2012年にかけてセバスチャン・ローブが、2013年から2018年にかけてセバスチャン・オジエが獲得していたが、久々に新しいワールドチャンピオンが誕生した。また、トヨタのドライバーが世界王者となるのは、1994年以来で通算5回目となった。

なお、今回がヤリスWRCでの2度目のWRC出場となる、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元/ダニエル・バリット組は、初めてWRカーで挑んだスペインの道で健闘。最終日も4本のターマックステージを堅実に走り切った。デイ2のメカニカルトラブルにより最終結果は総合39位に留まったものの、結果以上に充実した内容のチャレンジとなった。

■トミ・マキネン(チーム代表)

「歴史的な快挙です。我々のチームから新たなる世界チャンピオンが誕生したのです。

チームの全員がオィットとマルティンと共に、シーズンを通してハードワークを続けてきましたが、素晴らしい結果によってその努力が報われました。

この週末、オィットには大きなプレッシャーがかかっていました。それがどのようなものなのか、同じような経験をした私には分かりますが、一般的にはなかなか理解されないものです。タイトル獲得のためにパワーステージでオィットが見せた走りは、本当に素晴らしいものでした。また、彼が2位に入ったことはマニュファクチャラー選手権争いにおいても助けになります。オーストラリアではまだ逆転の可能性が残っていますので、全力で戦いに臨みます。」

■オィット・タナック (ヤリスWRC 8号車)

「今の気持ちを言葉にすることは簡単ではありません。この週末に感じたプレッシャーは、これまでとは違うレベルでした。世界チャンピオンになることは、自分の人生の目標でした。

ミスをすることは許されず、しかしタイトルを決めるためには良い結果が必要だったので、とても大きなプレッシャーを感じましたし、スタート直後はいつものように走れませんでした。

しかし、最終的にはリラックスすることができましたし、普段通りに運転できるようになりました。今朝はクルマのフィーリングが良く、いいリズムで走れました。

しかし、それでもダニ・ソルドの方が常に少しだけ速かったので、パワーステージで必要なポイントを獲得するのは難しいように思えました。それでも全力で攻めたことが、結果的に報われました。

これまで、いくつもの試練を乗り越えてきたので、ついにタイトルを獲得できて本当に嬉しく思います。素晴らしい仕事で我々を支えてくれたチームに感謝します。」

■ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)

「この週末の自分の走りには満足しています。一貫性のある走りができましたし、ミスもしませんでした。また、パフォーマンスも全体的に見れば高いレベルにあったと思います。ラリー開始直後は少し自信を持てなかったので、この結果には満足するべきですし、チームにマニュファクチャラーポイントをもたらせて良かったと思います。

今日は、もっとハードにプッシュすれば、総合4位も可能だったかもしれませんが、それはマニュファクチャラー選手権争いにおいてはあまり意味がないことでしたし、最終戦ラリー・オーストラリアまで逆転の可能性を繋ぐことが、今日は何よりも重要でした。」

■クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)

「今日は、良いリズムを取り戻すことができました。ヤリスWRCはターマックで本当に速く、今朝は再び良いフィーリングで走れました。パワーステージでは、オィットのタイトル獲得を確実にするため、ペースを落とす必要がありました。彼のボーナスポイント獲得にとって、マイナスとなるようなことは避けなければなりませんでした。オーストラリアには、マニュファクチャラー選手権を勝ち取るために挑み、自分のベストを尽くして走ります。」

■ラリー・スペインの結果
1 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 3h07m39.6s
2 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +17.2s
3 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +17.6s
4 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +53.9s
5 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +1m00.2s
6 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +1m14.2s
7 テーム・スニネン/ヤルモ・レーティネン (フォード フィエスタ WRC) +1m47.6s
8 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +4m20.5s
9 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン (シトロエン C3 R5) +8m24.6
10 エリック・カミリ/ベンジャミン・ベイラス (シトロエン C3 R5) +8m47.2s
29 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +42m20.0s

■トヨタのクルマでWRCドライバーズタイトルを獲得した選手
1990: カルロス・サインツ (セリカ GT-Four ST165)
1992: カルロス・サインツ (セリカ ターボ 4WD ST185)
1993: ユハ・カンクネン (セリカ ターボ 4WD ST185)
1994: ディディエ・オリオール (セリカ ターボ 4WD ST185)
2019: オィット・タナック(ヤリス WRC)

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