F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の会長を務めるジャン・トッドが、今後F1イタリアGPの予選で起きてしまった“茶番”を防ぐために必要な手段を講じていくと語った。
モンツァ・サーキットで行われた今年のイタリアGP予選Q3では、ドライバーたちがライバルのスリップストリームを使って少しでもいいタイムを刻もうと考えたことから、誰もが2回目のアタックのためにコースに向かおうとしない状況となってしまった。
実際のところ、モンツァのような高速サーキットではうまくライバルマシンの後ろにつけてスリップストリームを利用すれば、トウと呼ばれる牽引力を得られることでラップタイムが0.2秒ほども短縮できると言われており、ドライバーたちにとってはそれを利用できるかどうかが非常に重要な要素となる。
そして、12分間で行われたQ3の残り時間がギリギリとなったところでようやくドライバーたちがコースに出たものの、お互いに相手の後ろに自分のマシンをつけようとけん制し合ったことで、結局ほとんどのドライバーがアタックに入る前にチェッカーフラッグが振られてしまうという展開となってしまった。
「私に言えるのは、こういうことが再び起きることは絶対になくすということだけだ」
ベルギーのフランス語紙『La Derniere Heure(デルニエール・ウール)』にそう語ったトッドは次のように続けた。
「我々はルールを変えることになる。ドライバーたちが好きなタイミングでピットを出ることをやめさせることはできない。だが、我々としては1周あたりの最大ラップタイムを設けるつもりだ」
「観客はショーを見るためにやってくるわけだが、彼ら(ドライバー)が行ったことは危険ですらあった。我々はできる限り早急にルールを変えるつもりだよ」
現在F1レースディレクターを務めているマイケル・マシは、FIAと各チームの代表者たちが今週末に今季の第15戦が開催されるシンガポールで顔を合わせ、この解決策に向けての話し合いを行うことになると次のように語った。
「我々はシンガポールで詳細な話し合いを行う予定だ。だが、すでにいくつかのチームがどうすればこの問題を解決できるかということについてのシミュレーションとアイデアを考えているよ。全員にとって一番いいことを行うことになる」