F1オーナーのリバティ・メディアは、母国アメリカでのF1ビジネス拡大を大きな目標のひとつに掲げている。
8日(木)には、一時はF1カレンダーからの消滅がうわさされていたF1メキシコGPの開催が少なくとも2022年まで継続されることが正式に発表された。
これにより、2020年はF1史上最多となる年間22戦が開催されることになるのは間違いないようだ。伝えられるところによれば、リバティ・メディアの一員であり、F1最高責任者を務めるチェイス・キャリーが今後数週間のうちに2020年のF1暫定カレンダーを発表すると語ったという。
F1チームにとっては1シーズンに22戦を戦うことで生じる負荷はかなりのものになると考えられている。だが、リバティ・メディアは2021年以降年間レース数をさらに増やすことを考えており、最低でも24戦になるのではないかとも言われている。
キャリーも『Forbes(フォーブス)』に次のように語っている。
「今後数年のうちにレース数はもう少し増えると予想しているよ」
リバティ・メディアは、2020年にオランダとベトナムをF1カレンダーに加えることにしているが、次のターゲットはアメリカ国内でのレース増だと考えられている。
現在は暗礁に乗り上げた形にはなっているもののリバティ・メディアがマイアミでのF1開催計画を推進していたことはよく知られているし、キャリーはそのほかにもラスベガスなどを開催候補地としてあげている。
キャリーは次のように語り、その計画実現に向けて今も取り組み続けていることを明らかにしている。
「来週そこの関係者たちと会議を持つことになっている。1か月前にも会議を行ったよ」
キャリーはさらに、アメリカでのF1人気向上のためにはアメリカ人ドライバーや、新たなアメリカンF1チームが出現することも重要なカギになるだろうと次のように語った。
「将来的にはぜひアメリカ人ドライバーが登場して欲しいよ。それには時間がかかるだろうがね」
「我々にはハースというアメリカのチームがあるが、有名なアメリカのチームがもっと加わって欲しいと思っているよ」
ハースF1のオーナーであるジーン・ハースはアメリカで最も人気の高いモータースポーツであるNASCARに参戦するスチュワート・ハース・レーシングの共同オーナーでもある。
だがキャリーとしては、例えばNASCARやインディカーの名門チームとして知られるペンスキーなど、国内での知名度がもっと高いチームがF1に参戦すればアメリカでのF1人気もさらに高まると期待しているようだ。
キャリーはさらに、今季序盤はメルセデス勢が圧倒的に強かったものの、夏休み前の数レースではかなり接戦が繰り広げられるような状況となったことをうれしく思っていると次のように付け加えている。
「レッドブルとフェラーリが競争力を高めてきているし、それに加えてホンダが勝てるエンジンサプライヤーとして復活してきたからワクワクしているよ」