20日(月)に70歳でこの世を去ったニキ・ラウダの葬儀が29日(水)に生まれ故郷のウイーンで行われることになっている。
伝えられるところによれば、ラウダはフェラーリ時代のレーシングスーツとともに埋葬されることになるという。
ウイーンの大聖堂で行われる葬儀では、非常勤会長を務めていたメルセデスF1チームを代表してトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)がスピーチを行うものと考えられており、現F1チャンピオンのルイス・ハミルトンも参列することになっている。
だが、前F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、ラウダの葬儀に参列するつもりはないと語った。
それは決してラウダとエクレストンの親交が浅かったというようなことではない。逆に、ラウダは1978年から79年にかけてエクレストンがオーナーを務めていたブラバムで走っていたことがあり、ラウダのトレードマークともなっている赤いキャップは、当時のブラバムF1マシンの色に合わせて身につけるようになったものだとも考えられている。
以前からレース仲間の葬儀には出席しないという主義を貫いているエクレストンは、ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「私は死んでしまったニキに会いたくはないんだ。私にとって、彼は生き続けているからね」
「ファビアナ(妻)と私は4月末にスイスのクリニックに入院していたニキを尋ねたんだ。彼がひどく衰弱していたのが分かったよ」
「彼はもう普通の生活には戻ることができないだろうと分かったよ」
エクレストンは肺の移植手術を行ったラウダが昨年末にイビサ島でクリスマスを過ごしていたときにも彼に会っていたが、そのときはラウダの体調もよさそうに見えていたようだ。
「順調そうに見えたよ。ところが、ニキは突然どんどん体調を崩していったんだ」
そう語った88歳のエクレストンは次のように付け加えた。
「我々は誰もが悲しんでいるが、私は最終的には彼にとってよかったと思っているんだ。彼はもうこれ以上苦しまずにすんだわけだからね」